2020年5月31日日曜日

ミートソース・スパゲッテイに捧ぐ


 糠漬けの大根、人参、蕪をおかずに炊き立ての湯気の上がっている真っ白い御飯を御飯茶碗に盛って箸を使ってパクパクムシャムシャと食べながら見ていました。しかし、素晴らしいところに住んでいるんですね。海があり、川も流れて、オゾンがタップリと含まれている美味しい空気を毎日思わず胸いっぱいに吸い込んでいるのでしょう。潮騒の音を聞いてかもめも飛んでいるんでしょう。羨ましい。ひょっとしたら、サンタールチイヤ~♪、って感じでしょうか? 目には見えないけど天女も舞っているのでしょう。でも、ミートソースってそんな作り方なんですか? 全然、イメージが違っていました。

 そういえば、ミートソース・スパゲッテイといえば、随分昔になりますが、東京は新橋にカウンター形式でスパゲッテイを食べさせるお店があったんです。大きな雑居ビル建物の一階フロアの通路の隅に、15人ぐらいが座れる椅子が並べてありくの字の形の白い合板のテーブル・カウンターだけの店です。粉チーズもテーブルの上に置いてあり掛け放題で中学生や高校生の男子生徒なんかも、たま~に見かけました。こんな事を言って食べていました。

 『おいおい、怒られるよお~、そんなに粉チーズをスパゲッテイにかけて食べると、・・・。』

 ある日の休日、午後の時間、3時頃かなあ、店のチーフだろう背の高い男が白い厨房服を着て、カウンターに座ってオレンジ色をしたミートソース・スパゲッテイを食べている女性にこんな事を語りかけていました。店の男は30代後半だね。女性も30代だなあ。どちらも年寄りじゃない。

男:『今度だけだからね。今度だけだよ。』
女:『美味しい。凄く、美味しい。』
男:『もう駄目だからね。』

 女性は笑顔を見せミートスーススパゲッテイをフォークに巻いて食べていました。しかし、女性の後姿が、ちょっと普通ではありません。髪は長く肩まで伸びていますが、櫛も通していないのでしょう。そして、何日も髪を洗っていないのでしょう。汚れてごわごわしています。季節は夏なので軽装ですが、やはり、普通ではありません。汚れていて、屋根の下で寝たような様子ではありません。お腹が空いていたのでしょう。美味しそうにスパゲッテイを食べていました。横顔からは、決して下品な顔付きはしていない女性でした。痩せて小柄な体をしていました。何らかの原因で突然、身持ちを崩してしまった、って感じでした。察するに、・・・。

 まあ、それが、私達の住む世の中ですね。病気、事件、事故、自然災害、不正や暴力に合えば自分がどうなるか誰にも分からない。それに、幸せな人もいるし、そうじゃない人もいる。色々な人達がいる。男も女も、年寄りも、子供も、金持ちも、貧乏人も、幸せな人も、そうじゃない人も、う、うう、こんな事を書いていたら終わりがないので苦しくなって倒れてしまう。その後、その女性がどうなったかは知る由もなく分かりません。ですが、きっと、誰か良い人に助けられ、今は幸せに暮らしているでしょう。そして、笑顔を見せ人生に感謝している事でしょう。ひょっとしたら、私と同じように、この動画を見ているかもしれませんね。

 令和2年5月31日(日)薄曇 21℃ 午後21:05 世田谷区より。

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