2020年5月13日水曜日

OL一人旅!出雲大社

                               OL一人旅!出雲大社 

 それはきっと、老婆心と巷で世間の人々が言っているものだなあ。

 どれぐらい前かなあ~、体の調子が悪くてさあ。まあ、運動しないで机の前の椅子に座って丸一日を過ごしていたせいだ。それを、昨日も今日もって感じで繰り返していた。毎日毎日机の上のパソコンを見ていた。するとある日の夜夜中お腹が急に痛みだした。しょうがないのでベットの上で横になり、右に左に体をよじって痛みに耐えていた。それほどの腹痛だった。こんな感じだったなあ。声が出てしまっていた。

 『痛い、痛い痛痛い、痛たたた、・・・・。』

 それで朝になり近所にある街医者を探して診てもらったんだ。痛みは引いていたんだけど心配になってさ。老齢の医者と、お手伝いさんなのか?、奥さんなのか?、看護婦さんなのか?、分からない昔、昔のお姉さんが居た。お年寄りの医者は年齢を重ねた萎びた顔をしていたよ。そして、幾つか言葉を交わして私の体の症状を聞いた。そのうちに小話も口から出てきて医者と私の笑顔と笑い声が静かで陰湿な患者など来ないだろう寂れた街医者の部屋の空気を柔らかくしていた。すると、体の小さな昔、昔のお姉さん、何を思ったのか?、こんな事を言った。

 『馬鹿になってえ、馬鹿になって働くんだよ。馬鹿にならなきゃ駄目だあ~。』

 私は昔、昔のお姉さんの顔を見た。そして、皺だらけの街医者の顔に目を移した。医者はどこか横を向いて目線を下向きにして何かを考えているのか、思っているのか分からないような顔をしていた。今思うと、それが、老婆心で若い私に対して向けられた言葉なのか、皺くちゃな顔をした医者に対する日頃の嫌がらせへの当てつけとして言った言葉なのかは分からない。

 親切なのか?、それとも、余計なお節介なのか?、老婆心?
7 か月前

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