2011年5月10日火曜日

凄く硬いキャベツの外側の葉を使った野菜炒め

『野菜炒め定食下さい。』



 ここは、目黒駅から権の助坂を下るように歩いて、裏手にある住宅街の定食屋さんです。なんのへんてつもない、人通りもないような所にありました。何も考えずに入りました。こじんまりした、店です。4人掛けのテーブルが6つぐらいでしょうか。店の人が水飲みグラスを手に持って、注文を聞きに来ました。迷わず、野菜炒め定食を注文しました。水飲みグラスに入った、水を少し飲んでボンヤリと、店の中を見渡しました。誰も、客は入っていません。



 店の主人なのか、店員なのか、かなり若い男です。店の厨房で、料理をしています。チラと2度程、私の方を見ました。少し経つと、野菜炒め定食が、テーブルの上に置かれました。でも、ちょっと変わっています。とても、緑の色の濃いキャベツが炒めてあります。茶色の角形の盆の上に乗った、黒い合成樹脂製椀に入ったみぞ汁、小さな小皿の上の合成着色料を使用した赤ピンク色の福神漬け、御飯茶碗の白い御飯と、キャベツ、モヤシ、刻んだ玉葱に豚の細切れを炒め中皿に盛った、野菜炒めです。



 箸で少し挟んで口の中に入れて、もぐもぐと噛みました。とても、硬くて噛み切れません。それに、ガチガチして硬い紙を噛んでいるようです。スーパで売られているキャベツを購入すると、食べない外側の硬い葉は、キャべツ売り場の下においてあるダンボール箱に捨てます。その捨てている、外側の葉を刻んで炒めたのです。ちょっと、驚いてしばらく、野菜炒め定食を眺めていました。そして、食べる事を諦めて、店を出ました。確か、料金は払ったと思います。



 最近、昔食べようとした、この野菜炒めの話を年配の人に話しました。多分、大笑いするだろうと思っていましたが、こんな答えが返ってきました。



 『硬いんだけど、栄養があるんだよ。』



 そして、自分の口を動かして噛んでいる様子を見せました。その応えが、どのような意味で言ったのか、確認はしていないのですが・・・。冗談で言ったのでしょうか?



 何か、ちょっと可笑しいと思うのです。食べれないキャベツの外側の皮を炒めて出す、野菜炒め定食も、年配の男性のその炒めたキャベツに対する食感もです。本気なのか、どうか理解に苦しんでいます。ちなみに、その店を見たのはそれが、最後でした。なんだったんだろう。でも、外食していると、似たような事が、けっこうあります。



 昔、アメリカのヒラリークリントンが国務長官をしていたときでしょか。テレビ画面で日本の財界人だったか、株式相場の人達だったかに、言った事がありました。



 『どうして、あなた達は、当たり前の事が出来ないのですか?』



 それに、対して、一塊の日本人達の中から、背の高いスマートで、凄く嫌な感じの男が、変な目つきをして、一歩踏み出して、テレビ画面に向かって、大声で怒鳴って叫ぶように云いました。



 『うっせぇ。馬鹿ぁ!』



 良くこんな映像を取ったなぁ、と思いました。そして、よく放送出来たなぁ、と思いました。海外の人や、クリントン長官には、日本は、凄く硬い野菜炒めを出す定食屋さんに、思えるのでしょう。
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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

食べられないほど硬いものを出す料理店はどうかと思いますが、キャベツの外葉(鬼葉)は食べられますよ。
硬さは確かにありますが、紙のように硬かったというのはよほど例外的だと思います。炒めれば普通に食べられます。
農薬や青臭さが気になって捨ててしまう人が多いのは事実ですが、栄養豊富な部位なので捨てずに食べたいところです。

匿名 さんのコメント...

なんか分かるような気がするな。説得力がある。