2011年5月15日日曜日

 割れた窓ガラスを直しに来て、新たに入れた窓ガラスも割ってしまい、そのまま平然と、事なきを決めようとしたガラス職人


 『泥棒が入るのは、お金がある証拠らしいですよ。』



 窓ガラス職人が私の心をくすぐるつもりなのか、そのような事を言いました。実は、窓ガラスを割って、泥棒が入ってきたのです。幸い、何も盗まれたものはありません。多分、現金だけを狙った泥棒なのでしょう。そんな事で、不動産屋に泥棒が入って、窓ガラスを割られたことを電話しました。すぐにガラス職人が来ました。私より年上なのは分かるのですが、どれぐらいの歳の方でしょう。50歳代かと思います。仕事以外では、体を動かさないような男の人のようです。小さい顔と、割と小柄な体つきです。煙草とお酒が、仕事の終わりの楽しみのようなタイプの人です。



 そんな事で、彼が割れたサッシの窓ガラスを交換している様子を見ながら、世間話をしていました。ガラスをガラス切りで、少し切ってからサッシにはめ込んでいます。しかし、なかなか難しいようなのです。そのとき、小さなガラスがはじける音がしました。



 『パッチーン』



 サッシの角に当たる部分が、欠けてしまいました。すると、ガラス職人は気が付いているにも、かかわらず、そのままガラスを取り替えようともせず、仕事を終えようとします。まあ、気持ちは分かります。せっかく取り替えたのに、ちょっと角が欠けてしまったのです。別段いいだろう、これぐらいと言った気持ちなのでしょう。ですが、小さくても穴が開いているのです。しょうがないので、いいました。



 『割れてるよ。そこ。』



 ガラス職人は、新しいガラス板を取り出して、諦めたように綺麗に修理しました。修理代金を請求したので、支払いました。まったく、どこまでもどこまでも、困った人達です。不動産屋に入居するときに、保険を掛けさせられているので、保険から支払うようになっているのです。どこまでも、言わないと駄目な人達なのです。ひょっとしたら、自分の小遣いにしてしまったのかも知れません。そして、これが世の中なのです。けして、終わることのない、青く白い海の波のように、押し寄せては、繰り返される仕業なのです。そうなのです。ここが横浜のせいではないでしょうが、隙あらば、遠慮なくむしられてしまうのです。



 ガラスサッシ職人に限りません。所得税、消費税、酒税、ありとあらゆるものに、税が掛けられています。油断していると、二十三十と雑巾のように、絞り取られてしまいます。それで、世の中が住み良くなれば、問題はないのですが・・・。






 

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