2011年5月15日日曜日

二子玉川の女性の床屋さん

 『こんにちは。』


 晴れた日の午前中に買い物を済ませ、青空の下の灰色のアスファルトの上を、家路に向かって、歩いている私に笑顔で挨拶をする女性がいました。すぐに、近所の床屋さんだと分かりました。でも、困ってしまいました。なんとなく、ばつが悪くなって黙ってやり過ごしました。彼女の床屋さんで、散髪をしてもらったのでした。それは、良いのですが、本当に困ってしまいました。髭を剃って貰ったのですが、顔から赤い血が流れるのです。ヒリヒリして、大変でした。髭を剃る、技術が無いのです。瞬間ガス湯沸かし器のお湯で、タオルを濡らし、絞ります。そのタオルを、ちょっと顔に乗せます。その後、すぐに、替え刃の髭剃りで、髭を剃り始めます。その当時、眼鏡を掛け、歳の頃40歳代でしょうか。どちらかと言うと、感じの良い女性に見えます。随分昔の初夏の日の事です。


 椅子を立てると、私の顔が鏡に映ります。彼女の顔を鏡越しに見ます。ちょっと、顔に慌てている様子が伺えます。私の顔には、赤い血が流れているからです。なんとか、自然を装って、メンソレータムのような塗り薬を厚めに塗って、血を止めます。そして、平然と床屋料金を請求しました。


 彼女の店は、柔らかい緑の葉をした観葉植物の鉢物がたくさん置かれていて、自然光が入り、明るい感じの空気がして良い感じです。ですが、設備も、技術もないのです。彼女に限りません。今の床屋さんは、そうらしいのです。蒸しタオル機も、本格的なゾリンゲンの髭剃りも無いのです。床屋の学校に行くと、誰でもなれるようなのです。


 本当に、危険極まりない床屋さんなのですが、自覚を全然していないところが、なんとも云えません。あまりに凄いので警察と保健所に電話したと、記憶しています。でも、何も変わらなかっと思いました。以前、お医者さんが、必要もないのに、女性の子宮を除去してしまった事件をテレビ、雑誌で取り上げたことがあります。そんな感じです。


 本人が自覚しなければ、何も変わりません。多分、それで良いと思っているのです。いるんだよねぇ、こんな人がたくさん。自分の仕事が、人に快適に思われるとか、認められるのを想像する事が出来ないんだよね。心から喜んでもらえる笑顔がいかに、自分を嬉しがらせ生活力になるか。お金をもらうんだから、当たり前だけど・・・。



 多分、自分もそのような人間になっているんだと思います。朱に交われば赤くなる。まさに、無縁社会なのです。こんな床屋さんと、縁を切らなければと思います。床屋さんだけじゃないんでしょうね。縁がないよ。


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