2011年5月7日土曜日

それぞれの空気を持つ人々




 『醤油ラーメン下さい。』


 小田急線の祖師谷駅からの細い商店街の道を歩いていました。お腹が空いたの左手に目に付いたでラーメン屋さんの店の中に入りました。まだ、客が来る時間ではないのか、カウンターに男女の一組が座っているだけです。そのカップルと離れて座りました。6席ぐらいは離れていたいたでしょう。ですが、私の注文の声に驚いたようなのです。ビックっと大きく体を震わせて驚いた素振りをしました。それを見て、私も驚きました。大きな体を震わせたのです。そして、帰り際、私の背後で大きな咳をして、静かにドアを開けて帰りました。そんなときってあります。何かに、集中しているときとか、ボンヤリしているときです。座禅を組んでいるお坊さんの精神状態を科学的に調べたNHKの放送を見たことがあります。ささいな物音に敏感に反応する脳神経の科学図が赤く表示されました。昔から行われていた外敵からの攻撃に対する生存競争をかけた反応なのかもしれません。


 駒沢公園に壁打ちスポットがあります。屋外競技場を囲んだ壁を利用して、多くの老若男女がテニスラケットと黄色いボールを持って壁打ちを楽しんでいます。そこに通っていたことがあります。運動不足を解消する目的で行きました。そのとき1度変わった二人を見ました。大きな白い丁シャツを着た男の人と、ピンク色のTシャツを着た小さな女の人のカップルです。2人は皆と同じく壁打ちをしているのですが、何か空気が違うのです。静かな気配を消した雰囲気です。壁に当たるテニスボールの音さえ無音です。2人の体からは、気配が全く出ていないのです。多分、そのような仕事環境で仕事をしている人達だと思います。自分の気配を消さないといけない生活環境なのかも知れません。


 田舎の子供時代に親戚の子供が遊びに来たことがあります。女の子です。何か、怯えている感じが最初しました。東京に家族と住んでいて、親の生まれ故郷に遊びに来たのです。一人っ子で遊びなんかも、1人でしていたのだと思います。人と触れ合うことがないのだと思います。話し掛けると、小さくビックと体を震わせるのです。あるいは、両親の躾が厳し過ぎるのかも知れません。小言だけが、両親とのコミュニケーションなのかも知れません。その条件反射なのかも知れません。


 国民が日本国政府に希望や要望を出しても聞き入れられないのは、空気が違うのだと思います。全然違う空気なのでしょう。最初は誠実そうな顔をしていた、新人議員の顔も何回か当選してくると、違う顔になっていきます。そうです。嘘をついても平気な顔、面の厚い顔になって行くのです。最初は国民の支持者の声を反映させようとはしていたのでしょう。ですが、違う考えの支持者に支えられている議員との対立があり、おもうようにいかないのでしょう。そのうちにどこかで、妥協することを学んだのだと思います。そして、孔子や老子のような知恵も無く、解決することもなく政治空白と呼ばれる時期を継続しているのだと思います。やがて、パフォーマンスと呼ぶ表面の見てくれだけが、議員生活を支えるものだと考えるのでしょう。現金だけが、力だと悟るのかも知れません。

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