2012年1月31日火曜日

児童相談所と、現在の日本の状態と、大野先生

 『みんな、モヤシみたいだわ! ふん!』




 彼女が教壇に立って言います。彼女は小学校の先生です。小学3年生の学級の担任でした。豊かな黒髪を持ち、ふっくらとして、色白で裕福な柔らかな感じの先生でした。その先生が男女40人いる生徒を前にして、度々、私達を批難するような口ぶりで言うのです。確かに、男子生徒には太っている生徒はいなかったと思います。今思っても、痩せて、細い生徒ばかりだったと思いました。彼女の気持ちは分かりました。もっと太って、男らしく元気にしなさい、と思っていたのです。ですが、子供達の両親には決して云わなかったと思います。



 『子供達に、ちゃんと御飯を食べさせて下さい。』、と。



 昔の子供達の食料事情は決して良くなかったのです。しかし、今、日本はどうなっちゃったのでしょう。ニュースを見る限り、何か、もう当然のようですが、東日本大震災の復旧は進んでいないようです。放射能は福島県を中心に、測定され、多くの人達が心配しています。考えられないような事です。誰が放射能で日本が心配すると思っていたでしょう。もちろん、当然、今でも景気は悪く、雇用が減っているニュースは流れています。



 今日のニュースで小さな自分の娘を刃物でさした母親の事を言っていました。無理心中を図ったらしいと。長男と娘を育児放棄したとして、過去に子供達を児童相談所が保護したこともあったそうです。そして、刺された娘は死んでしまったそうです。日本の社会は、何も学んではいないかのようです。同じような事件は以前にもありました。そして、拉致被害者と、昔、時たま耳にした事がある、北朝鮮に渡った日本人妻と呼ばれる人達を日本に帰国させる努力をしていると云っていました。次から次に、隠されていたような事が、出てきます。それは、日本政府の隠しているような事態が、自然と表面化するようにです。



 何かバラバラのような感じを受けています。民主党の各大臣や首相の話もそうですが、日本全体が部分部分で統一性がないような気がします。学校も社会も、会社も日本国政府も、場当たり的で、何の方向性もなくピーチクパーチク、雀が鳴いているような気がします。中止、開始を何度も言ってるダム建設等など・・・。



 私と同じ歳のアメリカ人が日本に何度か来日したとき、ある子供を見たそうです。それを私に、こう言いました。



 『太ったガキがいたぜ!』



 ちゃんと御飯を食べていれば、子供だって太るよ。日本だって、ちゃんとやれば、問題ないよ。ほんと、ちゃんとやれよお~。ちゃんとした事をいえよお~。

2012年1月25日水曜日

何も云えなくなった日本人と、アガサ・クリスティノの推理小説

 『あ! 本当だ、テレビのチャンネルの数だけ飛んでる!』




 随分遠い昔に、南の島、小笠原列島に夏休みを利用して観光に行った事がある。東京の竹芝桟橋から小笠原丸に乗って行きました。これから、見るであろう南の島の青い海と空、白い雲の下で、休暇の楽しみを思って開放感を思いっきり感じていました。船の甲板には、大勢のカラフルな服装をした、子供や、観光旅行客が手すりに手を掛けて、おもいおもいに海の風を頬に受けていました。そんな中で、船の上空にはたくさんのヘイコプターが飛んでいます。確か、先日、自衛隊の潜水艦と漁船が衝突して漁船の釣り客が海に投げ出されて、遭難してしまったのです。



 そんな事でヘリコプターは、その海の様子を撮影していたのだと思います。船の上空を飛んでいるヘリコプターを数えてみると、テレビのチャンネルの数だけ飛んでいました。そして、そのことを一緒に船に乗って、小笠原に向かっている知人にいいました。そのときです。痩せた眼鏡をかけた若い女性が、きっとした顔と様子で私に視線を向けました。直ぐに私には、分かりました。彼女が何を考えたのかです。多分このような事を考えて、私を批難し、その視線を私に向けたのです。



 『人の不幸を何ですか? 空を飛んでいるヘリコプターを数える軽々しさ?』



 この、若い女性も会社の夏休みを利用して小笠原に観光をしにいく人なのでしょう。そして、日本人の常に人を批難する姿勢を身に付けた特性を持っていたのです。人を批難すれば、人の風上に立てると思っているのかもしれません。狭い日本の中でしか通用しない了見だと思います。イトウに行くならはとやだ、といった条件反射的なのです。それぞれの、立場や状況を考える事が出来ないのです。そんなに、世の中は単純ではないのです。たまに山で遭難した人が救助されて、テレビ画面で命が救われて喜んでいる笑顔を見ます。それを見て、多くの日本人が云います。



 『なんだい。すいませんの一言も云わないで。』



 ニュースを見ていた日本人は、遭難した人が、人に迷惑や心配をかけたと云いたいのです。そして、そんな日本人の云っている事を聞いた多くの日本人は黙り込んでしまいました。そして、多くの日本人が、批難されるのを嫌さに誰も何も云わなくなりました。そんな事で今日本人は、状況や立場を踏まえた、事実や真実に迫ることが出来ずにいます。当然、人の世を住みやすくする回答を見つけることも出来ません。そのひとつに、民主党の大臣が本当にたくさん問題発言で責任を取って辞任しました。しょうがない議員さんだったのではありますが。イギリスの女性推理小説家、アガサ・クリスティ の本にこんなのがあります。



 『そして、誰もいなくなった。』




 巷の人々や、テレビの画面で見る日本人達の会話の浅いことか、説得力のない説得か。当然だと思います。話す回数が少ないのだと思います。バットを振る回数に比例してヒットやホームランを打てるのです。野田総理、安住財務大臣、その他議員さん達の、気の抜けた話を聞くと、肝心要のものがありません。そう、ハッするような、その通りだと、いったものが。



 『すいませんでした。皆様に大変ご迷惑、ご心配をおかけして。でも、私の心の中は命が救われた喜びで一杯ではちきれそうです。これから救われた命を使って、毎日、美味しいものをお腹一杯食べて、楽しく暮らせるかとおもうと、どうしても笑顔になってしまうのです。』



 山で遭難して救助されたら、こういえば問題無いと、思うんですけど。


2012年1月21日土曜日

東日本大震災復旧、復興の最中、農大で出会った建設関係の担当者との話

『現場の担当者と話しをして、どうするって話をするんですよ。設計書はあるけど、作ったのは現場の人達ですからね。』



 そこは、東京世田谷区の小田急線の経堂駅から歩いて近い農大の門の前でした。平成24年1月20日の金曜日の午後の事でした。空からは、白い雪が降り、東京は初雪でした。どうやら、農大の施設で問題があり、問題処理を済ませた後だと言っていました。木の肌色をした汚れた作業ズボンを履き、白いワイシャツに紺色のチェック柄のネクタイをしめ、黒い薄出の防寒着を羽織っていました。背丈は低い方でした。どちらかと言うと痩せた筋肉質の男でした。歳の頃は30後半から40代ぐらいでしょうか? なにか、営業職のせいか、ひょうきんな感じを受ける男の人でした。また、これから問題が発生している、顧客を訪問するのだと。



 『でも、話せるだけいいですよ。話せない人いますもの。』



 そんな彼の話に、応えて、まだ彼の状態が良い方だと云いました。彼は顔を緩めて、うなずいて納得したようでした。大寒の日に、冷たい水の中に入って心身を鍛える荒行が各地で行われています。若い白衣を着た女性や、ふんどしや水泳パンツだけの男が冬の海の中や池の中に大勢で入水していきます。



 『二十歳の記念にしました。』



 白衣に白い髪留めをした若い女性が、ニューズ画面の中で云いました。海や、池から出た多くの若者が裸の姿、曇り空の下でトン汁が入っているような味噌汁の椀を左手に、箸を右手に持って寒さの中で暖をお腹に入れようとしている姿が画面に映し出されました。その姿は寒さを押さえきれず震えていて、両手の椀と箸も大きくブルブルと震えて汁が椀からこぼれそうでした。



 東京電力が燃料費が掛かるので、法人の電気代を17%ほど、値上げするとのニュースを見たのは、2~3日前でした。そして、今度は、家庭の電気代も値上げをしたいと言い出しました。



 民主党の消費税の値上げ、東京電力の電気代の値上げ、大寒の儀式のような巷の寒さのような景気、そんな中をもの言わぬ人を尻目に、ヘラヘラした笑い顔で差し出した消費税と電気代の値上げのような気がします。



 消費税、電気代。東日本大震災復興の中、次はなんだろう。矢でも鉄砲でも、核兵器でも何でも持ってきやがれ~! こんちきしょう! そんな感じですか~。

2012年1月19日木曜日

変わることの無い若い女性達の行いと、日本の社会

『きゃー! きゃー! わー! 渡っちゃおう! 』



 夕方でした。車はライトを点けて走行していました。夕闇の中を横断歩道の歩行者信号機は青から赤にかわってしまいました。二人の女子高校生が叫びながら横断歩道を渡ろうとしていました。2トントラックが右折しようとしていました。トラックは横断歩道の中まで入ってきていました。徐行運転して、ゆっくりと曲がっていました。そんなトラックの前を、叫びながら横切ろうとしている女子高校生二人です。トラックの左後ろから、トラックの前に1人が体を乗り出してしまいました。とても普通の考え、正気ではない無謀な行いに見えました。一人は危険を察知して横断歩道の手前で足を止めましたが、もう1人はきゃーきゃーと叫びながら渡ってしまいました。



 同じ並びの横断歩道の前に立っていた私には、驚きと、まあ、しょうがないなあ、といった思いで、女子高校生を見ていました。事故になっても可笑しくない出来事でした。しかし、当の女子高校生達には、その自覚がないようなのです。トラックの運転手も止まることなく走り去っていきました。もし、運転手が左右を確認して違うものに目を向けていたら、トラックのタイヤの下敷きになって可笑しくない状態だったのです。




 若い人に云っても分からない事もあります。しかし、話をしない、出来ない環境では、更に事態を難しくしてしまいます。日本には、立場上話の出来ないことがあります。察する事で問題を解決するしかないのです。そして、それは過去の事になりつつあります。



 始めてあった、見知らぬ家族のお父さんと話をしました。ちょっとお酒が入っていて、おしゃべりになっていました。お母さんと3人の娘を引き連れていました。



 『難しくなったね。俺のときは簡単だったよ。色々情報を知っているからね。今の子供は。』



 そんな事で有無を言わさない過去の時代が遠くなっても、何も変わっていないのです。本質的にはね。上っ面だけのもので、基本的には変わっていないのです。それを、今日の夕方、二人の女子高校生が横断歩道を通して知らせてくれたのです。

2012年1月18日水曜日

日本人の典型的な奥さんと、日本人の典型的な問題

『めんどくさい! さっき云ったじゃない。』




 小さな赤ん坊を抱きかかえた、若い奥さんが私に言います。ですが、少ない言葉で言うものですから、私にはこの若い奥さんが言っていることが、良く分かりません。それで、幾つか確認の為に尋ねました。しかし、確認したい事柄を応えようとはしない、若い奥さんです。見た目は、感じの良い顔立ちや雰囲気を持っています。普通の巷にいる可愛い顔をした奥さんなのです。



 しょうがないので、少ない言葉から、判断して希望の要請に応えました。どうも、この若い奥さん良く分からないらしいのです。勘違いもしているようなのです。そして、自分は客なので、客の立場は偉いらしいとの態度を誇示しているらしいのです。そして、普通に話が出来ないのです。困ったものです。何なのでしょう。



 日本人は会話をしているつもりなのでしょうけど、ある話の内容から外にでる事が出来ないのが現状です。お互いの気持ちや、同じ経験、互いに知っている知識の同意を得るための会話に終始しています。気持ちが違っていれば、喧嘩になります。日本人のよく言う協調性です。そして、互いの立場の違いや、考えの違いを認めるような話をする事ができません。



 狭い島国なので、うまくやっていくためには、人々同士の協調性が、どうしても要求されます。違ったことや、先進的な事よりも、同質化を前面に出した協調性が求められます。金太郎飴人間です。



 最近ブルーノート東京と呼ぶ、東京は表参道近くにある、何だか音楽ホールに行くと云った若い女性と話しをしました。たくさんの海外からのミュージシャンが演奏する音楽ホールらしいのです。彼女が言いました。



 『本当にそうね。NHKの紅白歌合戦見た。』
 『家、テレビ無いんですよ。でも、なんかあったんですか? 紅白歌合戦で?』
 『すっごく面白くなかった。でも、ニュースなんかどうするの?』
 『インターネットのニュース番組を見るんですよ。便利ですよ。一度に見られるから。』



 同じ人間ばかり見ても、面白いはずはありませんよね。芸能、独創的なものが求められる歌番組にして、これですからね。



 民主党の政策なんかも、そんな感じですね。話だけが先行して、実態を伴っていない。一方的な感じですね。TPP、消費税と社会保障の一体化、マニュフェスト、その他。納得できる話をする事が出来ないのです。それは、多分、今までは欧米先進国という見本があったので、真似ていれば良かったのです。その為に会話など必要なかったのです。しかし、外見上、日本はサンプルであった欧米に追いついたのです。そして、見本が無くなった今、どうするか知恵を出す必要に迫られているのです。そして、知恵を出すために、会話が必要なのです。真に立場の違う人々との。世界の中の日本人と海外の人々と交渉出来る会話が・・・。



 子供が云う事を聞かないお母さん。ちょっと、子供の話を聞いてあげたらどうなるか様子を見て下さい。自分の云いたいことを云わないで、終始子供の話に耳を傾けてみて下さい。それを、何日か続けて見て下さい。多分、違った世界が見えることでしょう。

消費税と社会保障の一体改革と、昔テレビで見た盲目の女性と盲導犬が何故か甦る記憶

 『カン! カン! カン! カン! カン! ・・・ カン!』



 そこは、鉄道の踏み切りでした。1人の目の見えない女性が黒い盲導犬を足脇に従えて立っています。女性は、盲導犬に命令しています。進めと、前に歩いていきなさいと。ですが、踏み切りの信号は赤です。信号機の大きな警告音が回りに響き渡っています。女性は焦れているように、何度か少し足を上げ小さく足踏みして踏み出そうとしています。盲導犬は、主人である女性の顔をチラと見上げました。黒い犬は落ち着いて、踏み切りの前を歩こうとはしませんでした。天気の良い明るい陽射しの下の小さめの踏み切りでした。



 そんな盲目の女性と盲導犬を後ろから、鋭い目付きをした盲導犬を盲目の人々に引き渡す為の検査官が、民家の白い塀に身を隠して見ています。その日は、黒い盲導犬が盲目の女性に引き渡せるかどうかの検査の日だったのです。その為に、盲目の女性は、この黒い盲導犬と、これから暮らせる日を思い緊張して検査を受けていたのです。なんとか問題なく検査に通るようにです。その為に、緊張して踏み切り信号機が発している、大きな警告音が耳に入っていても分からないのです。



 盲目の女性の1人で暮らす生活は、寂しいものなのかもしれません。そんな生活の中に、目となる忠実な友が現れたら、なんとかその友を、自分の毎日の中に居てほしいと思うのは普通だと思います。そして、なんとか検査に通りたいと、忠実な盲導犬に踏み切りを渡るように命令したのです。盲目の女性の頭の中は、この忠実な盲導犬と暮らしたいという思いでいっぱいだったのでしょう。



 『大局的に考えてほしい。・・・不退転の決意で・・・。』



 何やら、野田総理がニュース画面の中で落ち着いた感じで言います。消費税と社会保障の一体化なるものを、進めたいのです。ですが、何か世間には、冷たい風が吹いています。景気も悪く、雇用もあまり無いようです。東日本大震災が起こる前には、それを国難と巷では言っていましたね。最近、東京は世田谷区の下北沢で、ひょんな事から生活保護者と話をしました。生活保護者と話をしたのは、初めてです。ついこの間、心臓の手術をしたと云う老いた女性の方でした。手術に掛かったお金は生活保護を受けているので政府が支払ったと云っていました。今、生活保護者がいっぱいいるのが現実なんだよなあ。



 そんな今が見えていないような事なのでしょうか? そんな事で、野田首相や安住財務大臣の顔をニュース画面で眺めていると、財務省の役人の手の平の上で、可笑しな踊りを踊っている人達のように見えてしまいます。亀井静香議員の言葉がむなしく、ニュース画面にこだまします。



 『井戸が壊れているのに、桶を入れても・・・・。』