2012年1月18日水曜日

消費税と社会保障の一体改革と、昔テレビで見た盲目の女性と盲導犬が何故か甦る記憶

 『カン! カン! カン! カン! カン! ・・・ カン!』



 そこは、鉄道の踏み切りでした。1人の目の見えない女性が黒い盲導犬を足脇に従えて立っています。女性は、盲導犬に命令しています。進めと、前に歩いていきなさいと。ですが、踏み切りの信号は赤です。信号機の大きな警告音が回りに響き渡っています。女性は焦れているように、何度か少し足を上げ小さく足踏みして踏み出そうとしています。盲導犬は、主人である女性の顔をチラと見上げました。黒い犬は落ち着いて、踏み切りの前を歩こうとはしませんでした。天気の良い明るい陽射しの下の小さめの踏み切りでした。



 そんな盲目の女性と盲導犬を後ろから、鋭い目付きをした盲導犬を盲目の人々に引き渡す為の検査官が、民家の白い塀に身を隠して見ています。その日は、黒い盲導犬が盲目の女性に引き渡せるかどうかの検査の日だったのです。その為に、盲目の女性は、この黒い盲導犬と、これから暮らせる日を思い緊張して検査を受けていたのです。なんとか問題なく検査に通るようにです。その為に、緊張して踏み切り信号機が発している、大きな警告音が耳に入っていても分からないのです。



 盲目の女性の1人で暮らす生活は、寂しいものなのかもしれません。そんな生活の中に、目となる忠実な友が現れたら、なんとかその友を、自分の毎日の中に居てほしいと思うのは普通だと思います。そして、なんとか検査に通りたいと、忠実な盲導犬に踏み切りを渡るように命令したのです。盲目の女性の頭の中は、この忠実な盲導犬と暮らしたいという思いでいっぱいだったのでしょう。



 『大局的に考えてほしい。・・・不退転の決意で・・・。』



 何やら、野田総理がニュース画面の中で落ち着いた感じで言います。消費税と社会保障の一体化なるものを、進めたいのです。ですが、何か世間には、冷たい風が吹いています。景気も悪く、雇用もあまり無いようです。東日本大震災が起こる前には、それを国難と巷では言っていましたね。最近、東京は世田谷区の下北沢で、ひょんな事から生活保護者と話をしました。生活保護者と話をしたのは、初めてです。ついこの間、心臓の手術をしたと云う老いた女性の方でした。手術に掛かったお金は生活保護を受けているので政府が支払ったと云っていました。今、生活保護者がいっぱいいるのが現実なんだよなあ。



 そんな今が見えていないような事なのでしょうか? そんな事で、野田首相や安住財務大臣の顔をニュース画面で眺めていると、財務省の役人の手の平の上で、可笑しな踊りを踊っている人達のように見えてしまいます。亀井静香議員の言葉がむなしく、ニュース画面にこだまします。



 『井戸が壊れているのに、桶を入れても・・・・。』

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