2011年5月15日日曜日

自分が分からない事を、分からない人達

 『あはは。わからないんだ。』


 電話の受話器から、聞こえる女性の声は、そんな事を言っているように思えました。その日、その時間に、何度、その会社に電話をしたでしょう。何度聞いても、彼女との会話からは、会社がある場所が分からないのです。しかし、時計の針は、どんどん進んでいきます。その会社に、行く約束の時間が迫っています。


『すいません。分からなかったら、また、電話いたします。』


 私は、そう言いました。電話を切って、その会社を探しました。そして、また電話をかけました。


 実は、ある会社に、用事で出向くことになったのです。取引先に、なる予定の会社様です。事前に、地図を見て、所在場所を検討してあったのですが、道に迷ってしまいました。それで、電話をして尋ねたのです。その会社に、電話をかけると、女性が電話口にでました。事情を説明して、会社がある場所を尋ねました。しかし、いくら尋ねても彼女との会話からは、会社のある場所が分かりません。電話の向こうでは、おかしそうな彼女の声が聞こえるだけです。そんな事で途方にくれていると、突然電話の声が、男性の声に変わりました。そばで聞いてた、同じ会社の人です。そして、私に会社所在を正確に、教えてくれました。


 そんな事って、良くあります。いつの時代でも、どこでもあると思います。ある会社で、私の来るのを待っていた若い男子の社員が居ました。私は、用向きを言いました。当然、待ち合わせの上司の方に、知らせてくれると思っていました。しかし、彼は知らせませんでした。そして、その若い男性の社員の方と一緒に、その会社の玄関ホールに立っていました。彼は私を見下した態度で、胸を張って私を見ています。どれぐらい、彼とそこに居たでしょう。時間が経っても、私が来ないのを待ちくたびれた、上司の方が玄関ホールに現れました。そして、私と対面しました。そして言いました。


『いつ、こられたんですか?』


 私は、腕時計を見ながら言いました。


『そうですね。40分ぐらい前に、ここに来ました。』


 上司の方が、ゆっくりと若い社員に向き直りました。そして、低い声で言いました。


『おまえ、何してたんだ?』


 どうなんでしょう。日本と言う国は。この国に住む私達は、そのような事になっていないでしょうか。私達の生活は、世界のGNP2位にふさわしい家、生活、環境内容でしょうか。世界の人々に誇れるような人々でしょうか。生活態度を取っているでしょうか。・・・・。


 人生を終えて、ご先祖様に逢ったときに、ご先祖様が私達に、こんな事を言わないでしょうか?。


『おまえ、何をしてたんだ。』


 政治家の方や世間を批判したり、それを原因にする事は簡単ですけど・・・。まあ、死んだときの心配をする余裕は無いんですけど・・。


『おまえ、何してたんだ。なんのために、私達は戦ったんだ。日本の為に、特攻で死んだんだ。』


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