2009年3月24日火曜日

不思議な親子と、昔の日本人と、現在の日本人





 『もう。ギシギシなのよ。もう、深夜で最終電車なのに、電車の中がさ。人でいっぱいなの。』



 六本木で接待を受けたらしいのです。下請けの業者さんに招かれて、お酒や、美味しいものをたくさん食べたらしいのです。そして、深夜の最終電車で帰ったらしいのです。
 


 ところで私も若い頃、東京の六本木に憧れた時期があります。そして、若い頃、六本木の洋菓子屋さんでアルバイトをしました。古き良き時代の六本木の話です。現在はその、洋菓子屋さんは無くなっていました。その時不思議な親子を見ました。店の窓ガラスを背にしたコーナーに、その三人の親子は落ち着いた感じで座っていました。子供はまだ小さく、歩き出していません。お母さんの膝に乗っていました。お父さんもお母さんもふっくらとした人ですが、けしてデブではありません。そして、その三人の目はライオンやトラのような鋭い目ですが、野蛮な感じではありません。なんか野性味を帯びています。



 私は、なんとなくその三人を眺めていました。するとお父さんが会計をする為にポケットから札束を取り出しました。ぎっしりとした札束です。ですが、その札束は全部、使い古したような千円札なのです。それでは、地方の山奥から出てきたのかなあ、と思いました。いつだったか、九州の山奥では同じお金が巡回していると聞いたことがあります。そして、都会で食べられるような添加物まみれの食品を食べたことがないのだろう、とも考えました。そのために落ち着いた風貌、目鼻立ちをしているんだと、考えました。



 私の子供の頃の大人の人達の顔を思い浮かべました。確かに、近所にはこの三人の親子のように野性味を帯びた奥さんなんかが、井戸で水を汲んでいました。近所のお兄さんの顔や、下駄屋さんのお兄さんの顔を思い浮かべると、絵に描いたように秀でていたよう思います。



 そういえば、いつだったかテレビで山奥で生活している家庭の生活の一部を放送している場面をみました。女性のキャスターが大豆を蒸して自家製の味噌を作っている奥さんをインタビューしている場面です。女性インタビュアーが言います。



 『ええ! お味噌もご家庭で作るんですか~!』



 そして、無言の野性味を帯びた奥さんの顔と添加物食品を食べて都会生活をしている女性キャスターの顔とのコントラストがあまりにも違っていました。



 それは、感覚に影響するのではないでしょうか。生活に対する感覚にです。タバコやコーヒーを嗜む人達は気が重そうに見えます。毎日を晴れ晴れとした感覚で過ごすには、多少なりの影響があるのではないでしょうか? 快適な生活をする為に。



 目が奥の方で、鈍く不気味に光っている人が居ます。添加物のせいでしょう。何も考えずに、何でも食べてしまうのでしょう。

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