2009年3月16日月曜日

まるく治まる




 『ちっちゃい奴でいいの。20万円ぐらいの。』 若く背の高い、魅力的な女性が言います。歳は二十歳ぐらいでしょうか。右手の親指と人差し指を使って小さいものを形容しています。

 『売ってたかなあ~。日本に。』 なんかのんびりした感じの男性が、顔を上に向きながら応えています。
『じゃ~。どうしてテレビでコマシャルしてるの~。』 確信めいた感じで緩やかに男性に、女性が言いました。

 『知らない!だって、友達言ってたもの!日本に売っていないって!ずーと、ずーと、遠い国に売っているって。インドよりずーと遠い国に。それでね。それでね。ダイヤモンド買いに行くと、熊が出るんだって。こわいでしょ。ね。いやでしょう。』 小さな男の子がしゃべるようにに男性が言いました。

 『ふ~ん。熊に食べられちゃうんでしょ。』 ちょっとの間がありました。さりげなく応える女性。

 『違うの。帰ろうとするとね。熊さんが寂しいって言うんだって。帰れないでしょ。いやでしょう。それに、熊さん毛だらけなんだよう。』 男性が言いました。

 どうも、女性がダイヤモンドの指輪を男性に買ってくれとせがんでいるらしいのです。そして二人の声の性質は、なんか前面に出ちゃう声をしてるんだよね。

 そこは場末の小さなごみごみした、横浜のレストランです。私の背中の方で二人のカップルがお話していました。なるほどなあ。悪意ない話方、内容なら、許されるものかもしれないなあ。その場の話を治めるには。

 ユーモアって必要だよね。平凡な生活を愉快に快適にする為には。

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