2009年3月24日火曜日

赤毛の外人さん。




 『この電車は神宮前に行きますか?』



 小田急の新宿駅のホームを歩いていました。千歳船橋に行くためにどの電車のどのドアから乗るかを眺めて歩いていました。すると、視界の中に赤毛の短髪と顎鬚をはやした、中肉中背の外人さんが立っているのが入りました。何かを探しているようです。たくさんの人が歩いています。歩いている私の顔を見ました。大勢歩いている人を掻き分けるように私の側にきました。外国映画の西部劇の場面に出てきそうな外人さんです。目鼻立ちがはっきりした理知的な立派な顔をしています。そして、片言の日本語で私に尋ねたのです。なんとなく不思議な感じです。日本人がたくさん歩いているのに、よりによって私を選んで声をかけてくるなんてと。



『ええ。行きますよ。』 私は応えました。

『ありがとう。』 赤毛の外人さん、しばらくしてから、お礼を言うの思い出したらしく言いました。



 普通の人って、日本人の中にいると浮き彫りになります。皇太子の奥さん、雅子様もなんか浮き彫りになっていますよね。なんか。そうなんです。炊事洗濯を毎日するだろうなあ、という女性って普通だし、なんか浮き彫りになって見えます。そして、人は外見じゃないと思いますが、怪しい感じの人って、背景の中に溶け込んでいるような気がします。



 食べ物のせいでしょうか。最近の日本人は怪しい感じがするのですが。たぶん、赤毛の外人さんは普通の人を探していたんだと思います。そして、私は普通だったのです。外人さんの目には。



 昔、韓国系のブラジル人が私に言ったことがあります。床屋さんに行くんだけど感じが悪いと駄目なような事を。まあ、それは日本人も同じだと思うけど。





香りは不思議な力を持っています。何かを変える力です。

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