2011年6月19日日曜日

同じアパートに住む中年女性と洗濯竿、そして菅直人首相の退陣時期


 『この洗濯竿は大家さんが用意したんですか?』
 『これは、前に住んでいた人が購入したの。ここは、前、ある会社の寮になっていたの。』



 うららかな春が近づいて来たある日の事、大家の奥さんに聞きました。休日に、南の縁側に居ると、良くもんぺ姿で大家の奥さんが、顔に笑顔を浮かべながら、小さな姿を見せます。その日も大家さんが、アパートの様子を見に来たのでしょう。世間話をしながら、前から気になっていたアパート敷地内にある、緑色の洗濯竿と洗濯竿を置くしっかりしたセメントの土台を持つ洗濯竿支えの事を聞いてみました。なんとなく、住んでいる部屋の前に置いてあるので、自分専用の感じで何の抵抗もなく使っていました。



 そんな日から、少し経ってアパートに新しい住人が引越して来ました。何となく顔を見かけるようになりました。背が低く、肉感的で赤い口紅、こざっぱりした服装をした小さな中年女性です。私が良く通勤の帰りに利用する、駅近くの中華料理屋に勤めていました。元気な感じで、近くにいると、どこか批難されるような、困るような雰囲気を漂わせていて、ちょっとした女性です。そんな彼女の部屋の方に、洗濯竿が少しづつ動いていきます。最初は、1メートルぐらいでした。どうしたんだろう、と思っていました。気が付くと半分ぐらい動いていました。そして、いつの間にか洗濯竿が彼女の部屋の窓の上にある洗濯竿置きに収まっていました。洗濯竿を支えるセメントの土台が付いた洗濯竿支えは、女性が動かすには重過ぎるのでしょう、そのままの位置を動いていませんでした。



 まあ、私が購入した洗濯竿でもないし、なんとなく諦めてしまいました。そんな日から少し過ぎた頃、玄関のドアと柱の隙間に小さな紙切れが挟んでありました。郵便局の配達人が、挟んで行ったのです。小さな紙を広げて、黒いボールペンで書いてある文字を読みました。留守だったので、隣りの隣りの部屋の住人に郵便物を預けて置きました、と書いてありました。早速、中年の女性が住んでいる部屋のドアをノックしました。しかし、彼女は留守でした。その後、何回か彼女の部屋を訪ねました。その度に留守なので、自分の部屋に帰りました。2週間ぐらい経ったでしょうか。彼女の職場の中華料理屋を訪ねました。



 『こんにちは。何か私の郵便物を預かっていただいているようで、すいませんね。私の部屋のドアの前に置いといてもらえますか?』
 『あぶないよ。なくなっちゃうよ。』



 そんな日から、何日も経ちました。相変わらず、荷物は彼女の部屋にあります。どうするつもりなのか分かりません。私の郵便物をどうしたいのか分かりません。その日も、そんな遅い夜の時間ではないと思いましたが、彼女の部屋のドアをノックしました。ドアを開けることなく、窓の隙間から彼女の声が聞こえます。郵便物を私に渡したく無いらしいのです。郵便物の中は、仕事関係の何冊かの本が入っているのです。



 しかし、昼の午後に彼女が部屋にいました。そして、なんとかお願いして、ドアを開けてもらい郵便物を受け取りました。なんで、こんなに自分宛の郵便物を受け取るのに時間がかかったのか分かりません。彼女なりの理由を、彼女に聞かないと分かりません。そして、そんな事などお構いなく、ある日の昼間に大家さんに、私の郵便物の事なのか、私の事についてなのか、分かりませんが、語気を強めて批難している彼女の姿と話を耳にしました。どのような内容で批難されたのかは、大家さんと彼女に聞いてみないと分かりません。



 『何かゴソゴソするよ。この箱の中。』



 世の中は広いなぁ。こんなミステリアスな考えを持つ、女の人いるんだぁ。確かに、このような人が世の中にいるのは、知っていましたが、実際に遭遇すると、混迷の中で何か腹立たしく思っています。そして、あとから考えるとびっくりします。でも、人間は皆同じかと思います。それは、環境、立場や考えの視点が違う自分自身なのです。多分。



 菅直人首相が退陣表明をして、退陣時期を明確にしない事に、たくさんの意見がニュース報道されています。菅直人首相ですが、やっぱり、鳩山由紀夫首相が退陣して転がり込んだ首相の座を誰にも渡したくなのかもしれません。



 小さい子供なんか自分に正直ですよね。大きな声で自分の意思を表現します。



 『いやだ!』

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