2011年6月14日火曜日

東銀座の定食屋さんで、何度水を要求しても無視される奴


 『すいません。お水を下さい。』



 彼が、水のみグラスを差し出しながら、給仕をしているウエイトレスに言います。その度に、ウエイトレスの女性は無視して通り過ぎていきます。ここは、銀座の外れの隅っこにある定食屋さんです。近所には築地があり、大変大衆的な感じの空気をした、お店です。秋刀魚定食、焼肉定食、冷奴、肉じゃが等、単品の品書きも豊富にあります。そんなメニューの豊富さと、新鮮で、気さくな感じが好まれ、客の入りは大変良いお店です。健康的な空気の流れがある店でした。



 昼食になると、良く考える事なく、この店に入りました。同じサラリーマンや、肉体労働者がたくさんいて、テーブルについて、様々な定食を食べています。その日も、同じ職場で働いている同僚とテーブルについて昼食を食べていました。同僚が、何度も水のみグラスを差し出して、通りかかるウエイトレスに水を要求します。ですが、そんな彼の事が分からないのか、無視して厨房と、各テーブルを行ったり来たりしています。こんなに、無視される奴も、いないなぁと、思いながら彼を見ました。



 彼はストレスが溜まっていて、声がでないのです。元気のない、生気のない声で、水を下さいといっているのです。年齢は45歳ぐらいでしょうか。小田急線の祖師谷駅か、その近辺に住んでいます。まあ、見た目は普通のサラリーマンです。あまり、人から好かれるタイプではありませんが、中肉中背で普通だと思います。体から発散されている空気で判断すると、どちらかと云うと、付き合いたく無い人々のグループに入るのではないでしょうか。多分、一般的な日本人です。



 何度か無視された後に、水飲みグラスを差し出して、再度水を要求しました。他のテーブルの食事をした客の皿を左手の盆に載せたウエイトレスが、顎をクイと動かしました。どうも、厨房の脇にある給水器を、顎で示したようなのです。自分で席を立って、給水器で水をグラスに入れろという意味なのです。彼は、席を立ち、自分でグラスに水を入れてテーブルに戻ってきました。



 多分、ストレスから、人間が小さくなっているのです。それで、ウエイトレスにも相手にされないのです。そして、よからぬ事を考えて、その空気が体から出てしまっているのです。それを、女性のウエイトレスは感じているのです。女性特有の感覚で、相手にしてはいけない男だとゆうことを、体が敏感に察知しているのです。



 ここが定食屋さんで良かったなぁと、思いました。エジプトか、サハラ砂漠だったら、この男永久に水にありつくことが出来ないと、思いました。自分が、どうなっている状態なのか分からない男なのです。小沢一郎さんのような感じですかね。見た目は。



 気が付いたら、体を動かしましょう。定食屋のウエイトレスに無視されないように。そうすれば、生気のある声が出て、いつでもウエイトレスが水を持って来てくれて、水が飲めます。

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