2011年6月14日火曜日

がっちりと掴まれて逃げることができない女性


 東京の銀座での出来事でした。松屋デパートの前で、黒っぽい服装をしたテレビスタッフ何人かが、テレビカメラを廻していました。カメラの前の石畳の歩道の上には、銀座で買い物をした後なのでしょう。普通の奥さんらしき女性が幾つかの買い物が入った紙袋を両手にぶら下げて、年配の女性スタッフのインタビュアーに、ガッシリと肩を抱かれていました。インタビュアーが、奥さんにマイクを向け、自然を装いながら語りかけていました。抱かれている奥さんの様子ですが、立ち尽して、少し怯えていました。縄で、がんじがらめに縛られた人の様に見えました。その周りには、様々な服装をした、たくさんの通行人が、歩いていました。夏も終わりに近づいた季節の事です。。



 多分、毎日午後の時間に放送される、アフタヌーンショウなるテレビ番組なのです。テレビの画面には、そのときの状況を現す空気のようなものは、映し出されなかったと思います。女性スタッフの体の周りからは、黒い霧のような空気が漂っていました。なんでしょう。あの黒い靄のようなものは。道行く通行人との空気とは、全然違う黒い靄がかかっています。



 普通に話しを出来ないのかなぁ、と思いました。まあ、ほどんどの買い物客は、逃げてしまうのだと思います。テレビに出演した後に、身に覚えのない陰口や悪口を、言われてしまうのだと思います。それが、嫌さに、無意識にテレビカメラを避けてしまうのだと思うのです。あるいは、物々しい雰囲気に耐えられなくて怖いのかもしれません。一般家庭で、実のある楽しい会話のある家庭は幸せな家庭です。あなたの両親で、あなたの良い事を話すのを記憶している事より、悪く云っている事を記憶している方が多いと思います。そんなものです。



 こんな事がありました。ある会社の若い女性社員が、彼氏の洗濯した下着の干し方をちょっと、話しました。すると、そのあとは、その気のいい彼女と彼氏の悪口とも、陰口ともいえない、批難する話をする男性社員が次々に現れました。そんな話が、どれぐらい続いたでしょう。気のいい彼女は、ほんとに困ってしまって、小さく小さくなっていました。ほんとに、話している内容が分からない人たちで一杯の会社でした。暗いというよりも、ストレスから、そんな批難する話しか出来なくなってしまっているのです。小さい会社の、ひとつの閉塞感です。それは、誰にも止められません。本人達が自覚して、努力しなければ。



 そして、それは、昔、足立区で起こったドラム缶殺人事件と同じ道に続いている方向なのだと思います。1人の少女を誘拐して、複数の少年が苛めて殺して、ドラム缶に入れてセメントを流して固めて放棄した事件です。



 そんな事件を繰り返しながら、社会は学んでいくのだと思います。しかし、普通に会話が出来なければ、その事件も忘れらてしまい、同じ事件が起きかねません。あなたの隣人と普通に話せる環境を作りませんか? そんな事を考えた、家庭、学校、会社、社会の建物や道、場所を作りませんか?



 テレビ局のインタビュアーがマイクをあなたに向けても、自分の考えを畏れることなく言える環境と、考えとは何かを考えませんか? マスコミで報道される事で右往左往することのないように。

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