2009年8月20日木曜日

真実の響き




 『なになに党から、立候補した、だれそれです。』

 ここは、東京の世田谷区にある集合住宅です。もう夕刻もすでに終わり陽はすでに建物のしたの地に沈んでしまった、夏の日の事です。そんな静かな時間に立候補者の応援カーが一台止まりました。衆議院選挙が押し迫っているのです。立候補者を紹介する人の声がスピーカーを通して静かな建物内にこだまします。そんな事で、立候補者の声も配慮した静かな声になっているようです。そんなに長い時間、立候補者は自分の説明をしていませんでした。次の場所えと移動するためでしょう。

 部屋の中で立候補者の声の響きを、なんとなく考えました。事務的な声ですね。志をもって立候補したのではなく、なんらかの理由で立候補したのでしょう。その理由は知る由もないのですが。キューバのカストロ、アルゼンチンのサッカーチームの応援している人達。凄いですね。人が人を見る。いつまでも見ていたいですね。第二次世界大戦のドイツのヒットラー。本心を演出する術を会得していますね。身の内が、震えるような演出ですね。

 日本人の選挙への投票率は、無関心さを表していますね。それは、いかに立候補者が選挙に無関心であるかの反映にすぎません。

 東京の渋谷駅から横浜の桜木町駅をつなぐ東横線があります。その東横線の真ん中ぐらいに綱島駅があります。昔の流行歌手水原ひろしがお忍びで博打を打ちに来たことがあるとの場所です。その綱島駅の近くにサッポロラーメンの店が開店しました。北の龍と呼ぶ店名を持つ店です。そこで、味噌ラーメンと餃子を注文して食べました。お腹を満たし、レジで会計を済まして、ドアを開けて店を出ました。すると、背後からレジの女性が言いました。

『ありがとうございました。』

 その声には心が、こもっていました。自然な声ですが、私には分かりました。あ、彼女は心から言ったんだ(長い人生で本心からの声を聞くのはあまりないのですが。)。


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