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なにげない日々の暮らしの中で、日本の人々が出逢う細々とした小さな出来事を記述しています。
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2009年8月21日金曜日
心の奥に潜んでいた者の叫び
『ふっざけんなぁ。なにが、今頃私がお母さんだぁ。』
夏の日の午後の事でした。田舎が同じ彼と目黒の街を歩いていました。私の隣で歩いている彼が、吐き出すように言いました。それは、突然で何の脈絡もない言葉でした。でも、すぐに事情が私には分かりました。彼がいつも考え、思っている事なのです。彼は男だけの3人兄弟です。彼らのおふくろさんは、父親が死んだら、3人を捨ててどこかに行ってしまったのです。彼らは、おばさんの所で育てられたのです。彼の心には、いつもその事がありました。考えまいとしても、考えてしまうのです。何故、私達を見捨てて行ってしまったのかと。小さい頃から、いつもいつも考え続けていたのです。
彼の背中は高校生のときから、丸まってしまいました。そして、人に悪さをするようになりました。彼の心には、自分の境遇を恨んでいる者が住み着いてしまったのです。そして、人に悪さをする事で自分が受けた境遇へのはらいせをするのです。彼は、人が困る姿を見るのを、本当に楽しそうな顔をして見ます。知人である私にも悪さをします。建設的な考えには、いつも拒絶反応をしめします。心が捻じ曲がってしまったのです。
『だめだ。だってさぁ。』
それでも、彼は立派です。一生懸命働いて、下の弟の学費を仕送りしていたのです。
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自分の中の見知らぬ自分
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