2009年8月20日木曜日

人は死ぬ日が分かる




 『人てっさ。死ぬ日が分かるんだね。』

 ある会社の部長さんとお話をしました。問題があって、部長さんが私とお話をする為に私に話しをしました。ここは、部長さんの会社の2階にある小さな部屋です。茶色のテーブルとグレーの椅子が4つあります。
お互いに顔を突き合わせて、色々な話をしました。部長さんは口の周りに口髭をはやしています。ちょっとお洒落な感じの年配の部長さんです。縞模様のワイシャツにネクタイ。スマートなスポーツマンタイプの部長さんです。年の功は70歳ぐらいでしょうか。でも、髪はまだ黒い方です。私のほうが白髪頭です。

『親父が死んでさあ。いなかに帰ったんだよ。』

 部長さんは、高知の生まれです。そう、本人は言いました。親父さんの葬式のあと、色々家族とお話をしたらしいのです。そのとき、おふくろさんが何気なく言ったのだそうです。

『今日は何日?』

 部長さんは、その時の日にちを応えたそうです。すると、おふくろさんが、返答したそうです。

『私は24日に、死ぬからね。』

 部長さんは、おふくろさんの言っていることがわからなかったそうです。その時は、変な事を言うなあ。と、思ったそうです。そして、おふくろさんが死んだ時に、やはり田舎に帰ったそうです。そして、暦を見たそうです。その日が24日だったそうです。

 部長さんの顔は、嘘を言っている顔ではありませんでした。終わりの日が来たときに、どのような感じで迎えればいいのでしょう。人は。

 この日にたくさん、部長さんんとお話をしました。生まれ、育ち、考えていること、思いつく限りのことを話したと思います。人は相手が、本音の会話をすると夢中になりますね。事実だけが、本当に聞き耳を立てさせます。学校、会社、社会にある会話のなんと事実の少ないことか。


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