2009年8月20日木曜日

テニスラケットのガット張りスポーツ店員との会話





 『それでは、プロの腕前を見せてもらいましょうか。手際の良いものを見るのは気持ちの良いものですからね。』



 そこは、東京は神田神保町にあるスポーツ店です。スキー、野球、ゴルフ等、色々なスポーツ用品を取り扱っています。その店の5階でテニスのラケットにガットを張ってもらっています。結構年配の人です。ガットを張ってもらっている間、色々な世間話をしました。神保町に生まれ育ったという人でした。背が高く、身体もガッチリとしてスマートです。



『パッチーン』



 突然、音を立ててガットが切れてしました。こんな事を言うお客さんは、あまりいないのでしょう。チョット肩に力が入ってしまったようです。気を取り直して、新たにガットを袋から、取り出しました。そして、熟練した腕前を見せて、ガットを張りなおし続けました。



 彼とは神保町にあるワイシャツ屋さんや、洋服屋さんの話をしていました。ふっと、なにげなく私の後ろを見ました。すると、驚いたことに凄い形相の若い男性の店員さんです。私を見つめています。なんでしょう。この人。確かに、店で会話をする人達っていません。ほとんどの人が、買う買わないの用向きで店を後にします。そんな、中で双方向の会話をしている人を受け入れる事が出来ないのでしょう。親しげに会話をする年配の2人をどのような事を考えて見ていたのか。私には知る由もありません。



 ガットを張ったラケットを持って、その店を後にしました。




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