2009年8月12日水曜日

未来の日本人へ




 何故でしょう。彼女が、しきりにエスカレータから乗ってくる人を気にしています。そこは、朝の通勤時間の小田急線の千歳船橋の駅の新宿行きのホームです。エスカレータの降り口の横に彼女は立っていました。白い網模様のおしゃれなストッキングをしています。とてもおしゃれな感じの背の高い外国の女性です。



 それは、こんなことだと思っています。Jリーグが日本に出来てサッカーが、当たり前に子供の人気スポーツになりました。そして、日本のチームに外国の選手がトレードされてきました。ドイツの選手が来ました。体格の良い好青年です。しかし、日本チームの中でのゲームでは、なかなかゴールを決めることが出来ずにいました。浮いています。日本人チームの選手達の中で。日本の選手は気味が悪いほど、ひとつの生き物のように動いています。



 日本人に限らないのかもしれません。しかし、このように完全に一匹の生き物のように感じる事があるのでしょうか。ここまで個人が均一化されてしまうと、とても、不気味です。



 どれぐらい昔の事でしょう。目黒と蒲田の間を走る目蒲線に昼間乗ったことがあります。緑色の電車です。緑色のドアが開いて、電車の中に乗り込みました。すると、外国の金髪の10代の女の子が乗っていました。緑色の電車のソファーに座っています。そして、とても困った表情をしているのです。その女の子の横には日本の奥さん達が所狭しと座っています。金髪の女の子は、まるでキリスト教の絵画に出てくるような天使のようです。輝き、健全純真そのもののように見えます。日本の奥さん達ですか。まるで、妖怪のような顔をしています。なんでしょうか。こんなにコントラストが際立つのは。



 そうなんです。何か人種が違うとなにかが分離、反発しようとする力が働くようなのです。駅のホームの外国の女性もそのような事をする日本人を恐れていたのです。



 でも、そんな力も会話が出来ると日本に無くなると思います。落ち着いた声と態度で、家庭に会話があればと思います。そうすれば、海外の人達とも、抵抗無く会話ができるはずだからです。会話が出来れば反発や分離がなくなり溶け込むことが出来るはずです。大体の人達は、話をすると外見とは、全然違う気さくな人がほとんどだからです。



 しかし、日本の家庭は大体こんな感じです。バブル期の相撲が面白くなってきた時期がありました。がちんこ相撲だったのです。その時にNHKのテレビ画面で人気相撲取りが、目線を落とし言ったことがあります。



 『なぐられましたからね。なに、生意気な事を言ってるんだ。って。』



 私の育った家庭も会話がありませんでした。父や子供達の会話を母が、止めさせるのです。喋っているのはいつも母です。今、思うと会話が無かったことを後悔しています。家族との絆を思い出すことが出来ないのです。小さな頃の家族への思いが本当の事なのか分からないのです。楽しい会話は、ほとんどしたことがありません。本当に残念です。暗く寂しい子供時代の家庭でした。彼らが誰なのか分からないまま、いってしまいました。そして、社会に出て会話をする力が無くとても不便な思いをして苦しみました。



 何が言いたいかって。子供の話を聞いてあげて下さい。静かな声で穏やかにね。子供が自分自身を、生活を、人生をどのように考えているのかをね。そして、その考えを認めてあげてください。考えが足りないならなら足りないで、そのままの子供のかんがえを受け入れてあげて下さい。そうすれば子供は、あなたに感謝するでしょうし、良い人間になる歩みを始めるでしょう。そして、あなた自分も子供や自身から学ぶでしょう。
 

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