2011年4月27日水曜日

分からない社員や日本国政府と、分かっている部長




 『実は、うまく電話が繋がらないんですよ。ですので、1ヶ月来月ぐらいまで電話を止めて欲しいんです。』
 『いいですよ。別に何でもないですよ。じゃあぁ、止めますね。』



 新しい住まいに引越してきて、電話回線をISDNにしました。1回線で電話とFAXが使えるNTTの通信回線の事です。ですが、ルータを通して電話、FAXを繋ぐ必要があります。しかし、そのルータの設定方法が良くわからなくて戸惑ってしまいました。ヤマハ製のネットボランチという小さな黒いプラスチックの箱に入ったルータです。そんなことで、パソコンをルータに接続して、設定データを入力しないといけないのです。そのために、うまくFAXとインターネットが接続できません。しばらく、勉強してルータの設定をしないといけない感じです。どれぐらい携帯電話の受話器越しに、女性社員と話したでしょう。その為の細かい手続きの内容、電話料金がどうなるのかとか、その後の事をです。すると突然、電話から聞こえる声が変わりました。静かで落ち着いた感じの老齢の男の人の声です。



 『いけませんよ。大切な御電話を止めてしまっては。そんなことをしたら・・・。』



 その男の人は、NTTの、そこの部門の部長であると云っていました。そして、しきりに電話を止めてはいけない理由ともつかない話を続けました。穏やかな話し方ですが、一歩も後に引かない雰囲気と回線を止める理由が全然ない感じを与えます。しばらく、話を聞いていると何時の間にか電話を止める事など全然頭の中で考えていませんでした。そして、ヤマハのネットボランチルータを設定するのに努力が足りないことに気が付きました。



 そうなんですね。彼が部長でいられるのは、いかに自分の仕事が電話回線を接続して利用者に利用してもらうことだと熟知しているのです。一日でも、一時間でも利用して、利用料金をお客からもらうことなのだと。だから、会社も彼に部長の役職と高い給料を払っているんです。たしかに、そうだと思います。1ヶ月の利用料金なんか、たいした金額ではないでしょう。NTTほどの大きな会社から見れば。しかし、1ヶ月が2ヶ月になることもあります。手からこぼれる、わずかなお金をこぼすまいと、全力を挙げて防いだのです。凄い人です。



 私達はどうでしょう。いいやぁ、てな感じで、明日にしたり、今度にしようとしていませんか。私達個人もそうですが、日本の政治なんかでも、よくしています。議論の先送りです。政治関係のニュースでは、議論の先送りなる報道をよく目にします。和を尊重するあまり、解決できないのかもしれません。



 今、日本は解決策を持つ人を待っている感じです。解決できる力と知恵を持つ人は、どこにいるのでしょう。多分身近にいるのだと思います。3人よれば文殊の知恵と言われます。その文殊の知恵を引き出せる人だと思います。それは、あなたのとなりにいる人であり、家族であり、あなた自身だと思います。

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