2011年4月22日金曜日

日本の人たちも負けていない・・


 『お願いします。本当にお願いします。』



 インタネットの動画ニュースの画面で、後ろ姿の男性が菅首相に頭を下げて、大きな声で言っていました。それぐらい、困っているのです。限界を超えた、被災地の人達の生活を訴えたのです。菅首相も苦笑いのような曖昧な笑顔で応じます。画面の中は、中学校か高校の天井の高い広々とした大きな体育館の中です。人々が体育館の壁際に茶色のダンボールを立てかけて、小さな部屋ともいえない囲いのなかで布団を敷いて休んでいます。



『そんな、通り過ぎてしまうんですか? 首相が来るのを待っていたんですよ。』
『いや。そんなつもりでは、ないんです。』



 ニュース画面のテロップには菅首相の訪問は30分の予定だそうです、と流れました。菅首相が帰るとき黙って通り過ぎようとしたらしいのです。先程窮状を訴えた男性とは別の奥さんと、男の人が困ったように言い放ちました。それに応えて戻ってきた首相です。



 『やってる。やってるって云っている国会の人達を、ここにつれて来て生活して見てください。』
 『いや。その・・・。』



 菅首相も、どうしていいか分からない表情で困りはてた感じです。



 アジアやアラブ、欧米では、人々が拳を振り回して口々に民主化や、苦情を訴えて叫んでいます。そんな中、日本の人々は今まで、何を思っていたのでしょう。今東日本大震災に遭遇した震災者は、彼らと同じ境遇です。明日をも知れない不安な生活です。何も云わなければ、一時的な防災服のパフォーマンスを終えて、背広姿に着替えて落ち着いた顔になってしまう国会議員達を見たら当然だと思います。昔、日本がアメリカと戦争して戦争を終え、誰もが空腹で苦しんでいたとき、赤ん坊を持つお母さんが街の中に張り紙を張ったそうです。



 『朕はお腹いっぱいたべてるぞ。』



 日本国の象徴となった昭和天皇は、母親の胸の上で赤ん坊がお腹を空かして大きな泣き声を上げていようがなんだろうが、食べ物には困らないとのことだという張り紙らしいのです。昔の人は言葉を口に出す事が出来なくて、張り紙に書きました。また、何かの悪さをする力を恐れて紙に書いたのかもしれません。現在でも、一般庶民に対する抑圧的な、そのような力は存在しています。親が子供に、話し方や内容で接するのではなく、拳や嫌がらせによる力で従わせるものは、しかたがないとしてもです。



 会話を妨げたり、本来の希望に通じる考えを反らせたりするテレビ番組があることを知りましょう。考えましょう。そして、資源が無いから、アジアの貧しい国よりとか、日本は本当に良い国なんだからとか、ちゃんとした理由もなく会話の妨げになる事を言う人たちに言いましょう。まだまだですよ、と。



1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

人にはそれぞれ立場ってものが、あらあな。それに順序ってものも。確かに、不甲斐ないような感じを受けるときもありますよ。昔と違いますからね。肉体労働をしているわけではないので、体がしゃんとしてないこともあります。