2011年4月23日土曜日

青空の下の百年に一度の不景気




『なんと青かったことか。』



 子供だった頃、いつも通いなれた狭い路地裏を駆け足で走っていました。現在は無いだろう、けして綺麗とはいえない長屋に挟まれた、細い小道です。そんなある日、やはり駆け足をしながら陽の射さない薄暗い小道から、何となく頭上に顔を向けました。そして目の先の、薄暗い屋根と屋根との間に、驚くほど青く爽やかに晴れ上がった、青空が輝いているのにハッとしました。それは、一瞬の出来事だったと思います。そして、次の瞬間には、何事にもなかったように、力一杯駆け足をしている、痩せた手足をした、小さな体の自分がいました。ちょっと遠くなった、昭和40年頃の、茨城の片田舎での話です。



 アメリカの要人が百年に一度の不景気だと言ってから、どれぐらい不景気が続いているでしょう。頻繁に顔を出していたアメリカの要人グリーンスパン議長です。テレビの画面では見なくなり若いアメリカの要人に代わりました。そんな先の見えない不景気の中で、何気なく見上げた子供の頃の空の青い色を思い出しました。貧しさの中にいて貧困や不正、生活の言葉の意味さえ知らず、そんな事を気にもかけない子供時代でした。まわりの人達はみんな貧しくても、なんか気楽さが漂っていたように感じます。それに、いなかだったせいか、道路はまだアスファルトで舗装されておらず、石ころだらけの砂利道でした。秋には赤とんぼが、嫌と言うほど、道にできた水溜りの上をのどかに飛んでいました。昔の人たちは、そんなまわりが、のんびりした空気なので不景気でも、貧しくても、なんとなく晴れの日がくるのを待っている雰囲気で我慢できたのかもしれません。



 現在の不景気はいつ解消されるのでしょう。なんらかの解決策を講じなければけして不景気は日本からは去らないような気がします。そして、日本国政府からはなんの政策的な考えや声明も聞こえてきません。なにをしているのでしょう。事務処理をしているのでしょうか。私達国民は事務処理を政治家の方におねがいしようとは思っていないのです。事務処理的な仕事は官僚の仕事です。政治家の方達には、もっと日本が希望を持って進んでいけるような考えを話して欲しいと思っています。



 多分、会話が出来ない人達が政治をしているのです。あち見て、こっち見て、こうしようと決めているのです。自分達の頭の中の想像力を使用して問題や、解決策をひねり出すことが出来ないのだと思います。文殊の知恵を使う事を忘れているのです。



 想像力を使う方法を身に付ければ、良いのにと。そうすれば、誰もが納得する答えが出てくるのにと。子供のときに見た晴れ上がった青空を思わせるような・・・。

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