2011年4月29日金曜日

地元のスーパマーケットで働いているパートの奥さんの小さな不正と、東日本大震災復興計画




 『あの~、これ、ちょっと合ってないよ。』
 『はい。これ。』



 惣菜等のちょとした買い物をして、会計のレジを済ませ店を出ようと出口に向かって歩き出しました。黒い皮製の小さな小銭入れをポケットから出して、もらった釣銭を入れようとしました。でも、お釣りの小銭が、なんだか足りません。銅色の10円玉、アルミの1円玉と銀色の100円玉が、何枚か、手の平に乗っているだけです。静かに振り返って、レジのパートの奥さんに、お釣りが足りないことを、戸惑いながら告げました。すると、その奥さん500円玉を、すぐに私の手の中に入れて渡しました。つり銭の金額を確かめる事無く渡したのです。後から考えて分かるのですが、確信犯というやつです。見た目は、どこにでもいる普通の、感じの良さそうな奥さんです。ここは、横浜の綱島街道からちょっと道を1本入った場所に在る、地元の人が経営しているこじんまりとしたスーパーです。



 店を出て、灰色のアスファルトの歩道を家に向かって歩いていました。頭の中は、さっきのお店のつり銭の事をボンヤリと考えていました。何だったんだろうと。間違いによる行為だったのか、それとも故意によるものだったのかと。そして、思い出しました。



 そういえば、この店には透明なプラスチックの板に挟まった紙が天井から鎖でぶら下げてあります。レジで会計するために並ぶと自然に目に付く位置にぶら下っています。紙にはこう書いてありました。



 『つり銭を確かめてください。』



 さきほど、レジに並んでいたときに目にして、なんだろうと思っていたのです。何故このような、張り紙を店の天井からぶら下げているのだろうと。どのような原因で釣銭が違うのか、色々とあると思います。金銭の必要があって不正と分かってするのか、面白半分怖さ半分のスリルを味わうためなのか、単なる勘違いなのかは、当事者に尋ねないと判断は出来ません。当事者が正直に答えるかどうかは別としてです。



 私が中学2年生のとき、教室の教壇に立った若い女性の先生が、大きな声で叫んだことがあります。小柄な背の低い、ちょっと化粧の濃い先生でした。この先生は数学を教えていました。



 『あなた達が勉強するのは、騙されないためなんです。社会に出て、色々な事があります。騙されないように勉強するのです。』



 歴史、数学、その他を勉強する事に意味を見出すことが出来ない年齢です。勉強しろ、勉強しろとの親の声なんかを聞いても、全然受け付ける事ができませんでした。しかし、その言葉は全然抵抗無く耳から体の中に入りました。そして、その若い女性の先生に、なんとなく感謝しました。長い学校生活で初めて、勉強に対する正直で、的を得ている考えを聞かせてくれました。



 不正により、軽く見られたり、なめられるのは耐えられないものです。お金を騙し取られる事もそうですが、自尊心を傷つけられることは、本当につらいものです。



 東日本大震災の義捐金の募金箱が、何度か盗難にあっています。そして、私達には分からない不正も存在しているはずです。福島原子力発電所事故の原因に対して、何度か東京電力の役員が報道カメラに向かって言いました。



 『想定外の津波でした。』



 中学の教室の教壇で叫んだ、あの女の先生はだったら、何と言うかなぁ~。こんな感じかな。



 『事は単純じゃないのは分かります。原子力発電所事故、責任問題、金銭的な賠償問題等多々あります。インデアンの酋長の言葉を持ち出すまでも無く、事は蜘蛛の巣のように複雑に絡み合っています。しかし、色々な不正を考えた、想定外を含んだ震災対応をすることです。震災対応のゴールを明確にすることなのです。震災者、日本や世界の機関や人々が納得する計画と目標を発表することです。ひとつひとつ切り分け、ひとつひとつやることです。』



 でも、無理ですね。永田町の人達、議員さんは、自分達の身の安全しか考えていないもの。小さな党内の駆引きに全身全霊を賭けることに、夢中で我を忘れています。国民の事なんか、考えたこともないでしょう。駆引きに利用できる、カードの一枚でしかないのです。でも、分かるような気もします。党内から、村八分にされたり、議員バッチを外したりしたら、タダの人ですからね。誰にも相手にされなくなくなるのですからね。寂しい人間に、なるのですからね。そして、それが、人間なのです。そう作られているのです。ですから、そんな人間を熟知して、そうなるようにするべきなのです。快適な生活が出来るように、生活を楽しめるように、人生は素晴らしいと実感できるように、彼らに、そうなるように仕向けるのです。国民の生活を、快適に愉快にすれば、自分の議員としての立場が永遠に続くと保障させるのです。出来ると思います。豚もおだてりゃ、木にに登ります。でも、逆におだてられているような気がします。GNP2とか、世界一早いスーパコンピュータとか。

0 件のコメント: