2012年7月16日月曜日

 変わらない日本人。手が本人の意思に逆らって、勝手に動いてしまう人達。



 『あれ! 何だ! この人、中気か!』



 随分昔の事です。某国営放送を見ていたおふくろさんが、驚いたように叫びました。針仕事をしながらテレビを見ていたのです。テレビでは、料理番組が流されていました。卵を天麩羅のように、あげているのです。



 痩せた年配の男の人が、油の上に浮いている生卵を、箸を使ってまとめようとしているのです。ですが、その手の動きが、本人の意思に反して、可笑しく動き回っているのです。卵料理なのでしょうが、油で揚げる卵を始めてみました。



 しばらく、冷静に卵料理の説明を続ける某国営放送のナレーションを聞きながら、可笑しな箸の動きを見ていました。確かに、中気のように、本人の意思とは、関係ないような手、箸の動きをしています。田中角栄首相のロッキード事件で証人喚問に呼び出された男が、書面にサインをしようとして、腕がぶるぶる震えてサインが出来なかったことがありました。男は書けないと、口にだし、本人もびっくりしていました。そんな、感じです。



 そんな事が、日本のテレビ番組を見てると、よくあります。女性アナウンサーが横目で、横に立ってニュースの解説をしている男のアナウンサーの手を無意識なのでしょうか、見ているという図です。男のアナウンサーの手は、小刻みに揺れています。



 原発反対のニュース報道をしている、ジャーナリストでしょうか。結構若い男の人です。それに対して、ホスト役の年配の男と、若い女性が話をしています。首相官邸前に集まった、警察発表1万五千人、主催者発表20万人と、随分原発反対参加者の数が違うんですけど、説明をしています。



 ですが、若い男のジャーナリストの上半身には、正常な空気が流れていません。対する年配の男のテーブルの上に置かれた両腕の手の指先も、自然を装っては居ますが、凄い緊張感があります。ふたりで、探り合っているような空気を、なんとか二人で、さりげない自然を装うように話をしています。



 私にも経験があります。ある書面に住所と名前を書く場面で、手か勝手に動いてしまったのです。ボールペンはサインする箇所から、大きくカーブを書いて弧を描いてしまいました。今思うと笑ってしまうのです。サインを求めた仕事先の部長も、私と一緒の会社の部長も、それを眺めていました。結果的に、運動不足から、そのような自分の意思に逆らった、筆跡になったのだと思います。これ以上、このような人間には耐えられない仕事を拒絶する信号を自分自身が自分に、第三者に送ったのだと思えます。大変な仕事でした。なれないのも手伝って、苦しいの一言でした。



 そして、日本人に原発反対以前に、もっと人間らしい生活、仕事、環境を探せ、作れ、自然に戻れと、信号をサインを送っているのです。原発、放射能も大変ですが、食料への添加物、適度な労働時間と仕事を人間として自覚しろと言っているのです。暗闇で生き、羽を毟られ、さかさまに足を縛られ死んでいく白いブロイラーになるなと、云っているのです。



 原発稼動を一般の人々から意見を聞こうとして、まずは北海道から始めた政府の会合がありました。あの折りたたみ式の尻が痛くなるような、コクヨの椅子に、なんの抵抗もなく座っている人に正常な考えがあるはずないと思うのです。





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