2012年7月8日日曜日

悪しき習慣を身に付けた営業マンからの電話を受けて思う、変わってしまった日本の会社、職業意識


 『・・・もしもし、山田さんですか?』

 『どちら様ですか?』

 『藤原です。』

 『ええ・・と?』

 『IT関係の仕事をしている藤原です。』

 『ああ! 思い出しました。元気ですか?』



 梅雨の合間の晴れた空の日の午前中、インターネットの動画ニュースを見ていると、携帯電話に呼び出し音が鳴りました。ちょっと、携帯談話に表示されていた電話番号を眺めながら、携帯電話の受信ボタンを押しました。静かな感じで、年配の男の人の声が聞こえてきました。遠慮がちで、何かを用心したような話し方です。



 電話の相手とは、何回か顔を合わせたことがあり、仕事の紹介をお願いしたことがありました。結局は仕事にはならず、本当に無益な努力をしていました。今思うと、何故? と、思います。何故、彼と彼のやっている仕事とも、呼べない仕事の内容が分からなかったのかと、思います。もう、随分昔のことで、5~6年は経っているでしょう。しぶといですね。ほんとに。



 溺れる者は藁をも掴む。そんな感じかと、思います。彼は、決して仕事に繋がるような事を、していないのです。始末が悪いのは、彼自身が、それを理解していない事なのです。彼自身は、一生懸命やっているのだとは、思います。ですが、彼がやっているのは、実際の事ではなく、上っ面だけの体面を取り繕っているだけなのです。それで、転々と派遣会社の営業をしているのです。



 彼は、派遣業務の仕事を個人に紹介している、小さな派遣会社に勤める営業マンなのです。小さな派遣会社を転々として、勤めています。個人の経歴書を勝手に、書き直したり、個人の了解を得ずに、見知らぬ会社に提出してしまったりします。



 『でも、藤原さんは、御いくつですか?』

 『昭和24年だよ。』

 『もう、派遣業務は、駄目じゃないですか?』

 『まだまだ、つぶしがきくよ。』



 彼は、64歳ぐらいなのです。そして、派遣業務の紹介を仕事にしているのですが、まだまだ、それをやる気なのです。



 どうなんでしょ。秋葉原の無差別殺人事件を起した事件は、派遣業務が生んだ歪んだ社会現象 のような気がするのです。自分の会社が責任を持たずに、人を他の会社に派遣する。こんな、仕事は、本来の仕事では、ないような気がするのです。



 『派遣業の人に言っては悪いけど、派遣業って、良くないですよ。なんか、人間がすれちゃって、駄目になっちゃうもの。』

 『今は、年寄りでも、経験があれば、需要があるんだよ。』



 何か、おいしそうな事を云っているらしいのです。何とか、私の経歴書を何処かの会社に提出したいらしいのです。そして、私の了解など取る事無く、提出してしまうのでしょう。



 『もう、私は派遣業はしませんよ。』

 『また、電話しますよ。相談に乗ってもらいたいので。』

 『いやあ。駄目ですよ。元気でやってくださいよ。』



 責任なき、派遣業者でした。まるで、民主党の責任を取らない、政治指導と同じです。何か、自分の頭で考えずに、誰かに言われた事を、鵜呑みにして行動しているようです。日本も、アメリカの言いなりのようです。派遣業なんて、アメリカそのもののような気がします。人間としての責任を放棄してしまっているような気がします。



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