2011年7月1日金曜日

生きて行く為に必要なもの、小さな、お金儲け


 『売ってくれ。50円で。』



 とっちゃんが、そう言った。彼のポケットには、もうベーゴマが無くなったのだ。彼は私より年上である。近所に住む子供達が集まって、ベーゴマで遊んでいたのだ。彼は中学生で、地域にあるゴルフ場のキャデイのアルバイトをしていて、結構お金を持っている。私は、ベーゴマ遊びをしていて、こんな申し出を受けたのは始めてである。心の奥底で不思議な感覚が動いたのに気が付いた。そして、次々と俺にも売ってくれとの申し出が続いた。近所の遊び仲間の4人から一人勝ちで、皆のベーゴマを取り続けた。そして、仲間の小遣いである小金を、むしりとり儲け続けた。



 随分、小さい頃の話で、もうはるか昔の話である。その当時のちいさな子供達は、学校が終わると、ベーゴマ、ビー玉、ぶっつけ(メンコともいうらしい)の勝負をして取り合って遊んでいた。ベーゴマとは、鉄で作られた独楽の一種で、表は野球選手の名前や、その他のスポーツ選手の名前が漢字、ひらがな、カタカナで、彫られている。裏面には、それぞれの工夫をして独楽が回りやすく、強くなるようにヤスリで削ったり、セメントでこすったりしている。そのベーゴマを手ごろな大きさの桶の上にゴムのシート乗せ、その上で回してぶつけ合って遊ぶのである。ぶっつけ合って桶の外に飛び出した独楽が負けである。飛び出した独楽は、ぶっつけあって残っている独楽の相手のものになる。勝った相手は猫が、ネズミに飛び掛るように負けた相手のベーゴマを拾い、自分のズボンのポケットに押し込んだ。そして、夢中になって次の勝負にいそしむのである。



 家に帰って、家族との食事のときに500円札を家族の皆に見せた。当時のお金でラーメンが10杯分、食べられる金額である。そのお金は狡賢そうな母の目と共に、彼女の財布の中に納まってしまった。そして、それを、全然気にしていない小さい子供の自分でした。たぶん、お金を稼いだ事が得意であり、お金そのものよりも自分の得意な心が嬉しかったのだと思います。



 こんな事ってあると思います。スポーツ選手は、好きな事をしてお金を稼いでいます。音楽活動をしている方もそうでは、ないでしょうか。その他にもたくさんあると思います。私達が知らないだけで、存在していると思います。



 お金は大切なものです。大事に使い、そのお金を手に入れる方法をたくさん知りたいと思います。お金で何か出来るような気がするのです。まあ、なんでも出来ますよね。


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