2011年7月3日日曜日

菅政権と、何故か似ているオートバイ免許試験場で始めてオートバイを運転しようとした奴


 『今日、初めて運転したんだって。』



 1人の男が私達が不思議がって見ているところに、駆け寄って来て自分の仲間に言っている話が耳に入りました。ここは、田舎のオートバイ免許試験場です。学科試験を合格した者達が、実際にオートバイを運転して、試験コースを一回りして、管制塔の中で見ている試験官に実技でも問題なくオートバイ免許を取得出来るか判定するところです。殆どが16歳からの男の若い者達ばかりです。そんな若い男達が、自分の番を待って、大きな屋根のある待機所で列を成して待っていました。そんな待機所の前から、少し離れたスタート地点で、オートバイのエンジン音を異常に高く出している男がいました。マフラーからは、白い排気ガスがもくもくと出ています。寒い冬の日の朝の事でした。



 オートバイを運転するスタート地点は3箇所あります。3台のオートバイを使って試験をしていました。自分の順番が来たら、前の人間が止めたオートバイの所にいって、止めてあるオートバイのエンジンを掛けます。その後、カーブや直線、上がり坂、下り坂、踏み切りの一時停止をしながら試験場を一周し、元のスタート地点に戻ります。掛かっているエンジンをキーを廻して停止させ実技試験の終了です。そのスタート地点で、エンジンの轟音とマフラーから白い排気バスをもうもうと出している男がいました。他の試験者とは違い、アクセルを吹かし、そして、それだけをしています。みんなが注目しています。なんだろう、と。



 どうも、学科試験の勉強だけしてオートバイの免許を取得するつもりだったらしいのです。確かに公道をオートバイを走らせたら、赤信号とか、標識の意味を知らなければ、大変危険です。ですが、オートバイ免許を取得する為の予備知識として、運転実施がある事を知らないで来たはずないのです。オートバイを実際に練習で乗って実技試験に備えてこないはずないのです。しかし、そんなオートバイ免許取得の常識を見事に覆す男でありました。



 『ガッギン!』



 この男、確かギアを入れてアクセルを廻したまでを、見た記憶があります。そして、ギアを入れた時に、通常はしないだろう凄い音がしました。二人の試験官らしき人が、男のそばにいます。ギアを入れてクラッチを放しながら、アクセルを廻せとの指示を出したようです。オートバイが飛び上がるようにちょっと動きました。そして、何度か同じような事をしました。本人が諦めるまでやり続けていたような気がします。



 そんな、男を横目に、試験コースを一周して、試験官の合格の声を耳にして、試験場を後にしました。



 そんな日から随分月日が流れました。民主党の菅直人首相率いる、菅政権は、オートバイの実技が出来ないのにもかかわらず、オートバイの実技試験場に現れた、この見知らぬ男のようです(ニュースを見た限りでは・・・、実際はどうなのでしょう・・)。でも、菅政権に限らないようです。日本全体が前に進んでいないような気がします。個人の生活も、会社も、社会もです。今まで、他を見て自分に当てはめて来ていたのだと思います。今、サンプルになる国も人もなく、進めないのだと思います。自分で試行錯誤して、進むときが来たのだと思います。自分の頭で考えて、話、行動する地点にいるのだと思います。隣りの百姓から変貌する時期にいるのでしょう。

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