2011年7月12日火曜日

吐血した老い肥えた女性と、泣き崩れる、お洒落な若い女性と、老い独りぼっちのお母さん


 『もっと長く生きていて欲しかったわ。』



 彼女は言います。旦那が死んで、1人暮らしをしているのだそうです。旦那の年金があり、何一つ不自由はしていないのだそうです。年金も普通の人の年金より高く立派な金額なのだそうです。しかし、毎日を悶々と暮らしていたのだそうです。そして、それが、体に良くないのだそうです。深夜、ベッドに大量の血を吐いてしまったそうなのです。救急車で病院に運ばれ、2ヶ月間入院したそうです。窓から見える、東京タワーを眺めていたそうです。今は、旦那が生きていたときに、見学して気にいったので、購入したマンションに住んでいるのだそうです。彼女、顔も体も、丸々と肥えています。今、ひとり暮らしになり、死んだ旦那を想って生活しているような事を、言います。



 『ワアー。』



 何か大声で叫んでいる日本人の女性がいます。手に持っている大きなバッグを、男に殴りつけるように振り回しました。深夜の横断歩道の脇で、泣き崩れました。男が女性を抱きかかえて、起しました。何か、一言二言話をしています。また、女性がバッグを男に、振り回してぶつけようとしました。夜の暗闇の中、男は、黙って立っています。再び泣き崩れる女声です。男は精悍な顔立ちをした、中東の男らしく、逞しい体をしています。お洒落な服装をして、夜の六本木に遊びに来たのでしょう。



 この間、旦那が死んで、1人暮らしをしているお母さんに会いました。息子が二人いるのですが、一緒には住んでおらず、凄く寂しそうでした。自分自身を喪失しているように見えました。



 アメリカ人の女性が、日本の若い女性を見て言った事を、フランスの社会問題を取り扱っているフランスの女性ジャーナリストが本に書いていました。



 『駅の近くで、ケラケラ笑っている日本の女性を見ると、日本の女性が分かりません。アメリカの女性は悩み、苦しみ、精神的、経済的に自立していくのに。』

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