2011年7月6日水曜日

両親と子供、日本人と白い車は嫌だ、白いハングライダーは購入したくないと言いながら、白い車と白いハングライダーを購入した奴


 『白は嫌だぁ。白い車は、買いたくない。』



 そんな事を彼が言います。彼は会社の同僚で、お金持ちのボンボンです。富山あたりの大地主のおぼちゃまなのです。実は、ハングライダーをやらないとの誘いを受け、二つ返事でOKをだし、喫茶店で話し込んでいるのです。東京目黒は中目黒の商店街にある、入り口から縦にテーブルが並んでいる、なかなか感じの良い小さな喫茶店です。壁には小さなグラビアや写真が張ってあり、柔らかい緑色の小さな観葉植物の鉢が所々に於いてあります。



 彼が、ハングライダーの雑誌を持ってきていて二人で雑誌の記事や写真を眺めながら、今後二人がするハングライダーライフを話していました。若い二人は、とりあえず、行動しようと言う事になりました。明日にでも、澄み切った空気と緑豊かな山々にハングライダーの翼を広げて大空を飛ぶ夢を頭の中で描いています。



 『とりあえず、車が必要だよね。ハングライダーを積んで山にいかなきゃならないから。』
 『そうですね。どこか、車を購入するとこあります。』



 目黒通りにある車の中古屋さんに来ました。二人の年配の男達が、私達の相手をしてくれます。笑顔を絶やさずに、以下にも愉快で楽しい雰囲気を作り出しています。そして、二人の進める車は白い車なのです。彼が、白い車を購入する意思を示しました。それに、対して、先程喫茶店で話し合った事を私が彼に言いながら、思い直すように言いました。すると、彼が言います。



 『白は嫌だって、言ってたじゃない。さっき。』
 『山田さん。いいですよ。いいじゃないですか。山田さん。じゃ、この車購入します。』



 何となく雰囲気に呑まれて購入をした彼です。何となく分かるような気がして、車の話は決着が付きました。次は、ハングライダーです。疲れをしらない若さ溢れる二人です。雑誌に掲載しているハングライダー販売店に行きました。その道すがら彼が何度も、何度も私に言います。



 『白は嫌だぁ。白いハングライダーは買いたくない。』



 ハングライダーの販売店には、私達と同じような年代の男が二人で営業をしていました。ちょっと、私達より年齢が高い男が、笑顔を絶やしません。そして、私達に勧めるのは、白いハングライダーでした。沢山束になっているハングライダーを置いてある場所で、私達二人と、販売店の男二人は、色々な事を話していました。彼が、白いハングライダーを購入する意思を示しました。それを聞いた私は、先程の彼からの意見を繰り返して、思い留まるように話をしました。若い方の店員が、顔や態度で、精神的に、ちょっと変に私にぶつかっています。彼等は分かっているのです。私達の頭はハングライダーで大空を飛び回っているのがです。長いこと売れないで困っている白いハングライダー、こいつらなら購入するはずだ。問題ないと。



 『ちょっと待って。白い色は好きじゃないって言ってなかった。』
 『いいじゃないですか。いいですよ。白で。』



 彼が嬉しそうな笑顔で、私に応えました。結局嫌がっていた白い車と、白いハングライダーを購入していまいました。車の中古屋さん、ハングライダーの販売店の男達二人に、右に左に分投げられて良い様にされてしまったのです。誰も購入しようとしない白い車とハングライダーを若い彼は購入するようにされてしまったのです。



 日本の人達も、良い様に右に左に分投げられているのです。自分の生活を忘れて、目的を変えられているです。GNP2位。世界一速いスーパコンピュータ。G7首脳会議。アメリカが要望するTPP。それは、日本人の生活や、環境を考えない結果でしかないのだと思います。貧しい国への援助。分かるような気もします。でも、ズボンぐらいはいてから、しましょうよ。なんか、パンツだけ履いている姿でやっているような気がするのです。



 本当に痛い目に遭わないと骨の髄まで懲りないと駄目なのです。ですが、日本人には、それを会話にして後から続く人達に継承する技術が一部の人にしかありません。親が子供を殴って教えるような躾しかないのです。そんな事で、気が付いたら日本から生まれ、育った大企業の社長はほとんどが、外国の人達です。一枚も二枚も上手の上手です。そんな日本の人達と、日本国政府の人達を、お天道様が黙って、見ています。




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