2009年9月26日土曜日

pips




 『1pipsは1銭です。1万通貨だから、1円動くと1万円です。』

 私の右手に持った電話機の受話器から、耳の中に流暢に説明が流れてきます。でも、私の頭の中では引っかかるものが無く理解出来ていません。そして、あまり何度も聞くのもばつが悪くなります。そして、分からないまま私はさっきから同じことを言っています。

 『なるほど、なるほど。』

 そんな会話がどれぐらい続いたでしょう。結局分かりませんでした。為替証拠金取引(FX)をやり始めようとして証券会社に電話したのです。3社の証券会社に電話して同じ事を聞きました。女性が一人、男性が2人と計3名の方が私にpipsの事を説明しました。皆さん同じような内容を説明するのです。しかし、何かが欠けていて私には分からないのです。単位が二つある事が分からないのです。pipsと1万通貨です。つまりは、pipsは相場(レート)の上下の単位であり、一万通貨は通貨どおしの売買単位の事なのです。そしてレバレッジも正確には分かっていません。危険なのか便利なのは、詳しくは。

 昔、こんな記事を見ました。学校の先生が生徒にある計算式を教えました。すると、生徒が分からないような顔をしました。先生は分からないんだと考えて、もう一度教えました。すると、またもや生徒が分からない顔をしました。しょうがないので先生はもう一度教えました。すると、今度は先生が分かったのです。先生が教えた数式は先生自身が分からない数式である事をです。先生は自分が分かっていると思っている数式は分かっていなかったのです。

 こんな事は、私達の世の中には沢山あります。子供の事を分かっていると思っている親御さん、国民の事を分かっていると思っている政治家の方。数え上げたらきりがありません。

 よその国に自分の国の国民がさらわれて、無視している政治家や国。当たり前の事が出来ずにいます。大きな声で言わなくても分かりそうですが。しかし皆そうです。他人事ではありません。

 そんな感じで証券会社の方は、自分が分かっているから問題ないような説明をします。そして、その説明を聞く私には分からないのです。為替証拠金取引は元本が保障されていません。リスク(危険)があります。

 生活を守るにはそれなりの力が要ります。分かりませんでした。ごめんなさいでは、人間としての尊厳を守る事も出来ません。話してに働きかけましょう。やんわりとね。ジョークを交えて。

『ほんとうに分かって言ってるの。』

 そして、理解する努力を続けましょう。生活を快適にする為に。出来るなら良き話し手、聞き手になれた人も。




 

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