2009年9月2日水曜日

母親と息子




 『ほら! かずお!』

 何度この言葉を聞いたでしょう。高校の時に、よく近所の友達の家に遊びに行きました。高校生になると何となく気の合う友達が分かってきて、色々と話をするのが楽しくなります。彼はそんな友達の1人でした。そして、笑顔や笑い声の中で友達数人で楽しく話をしていると必ず、彼のお母さんが、険しい声で彼に冷たい水でも浴びせかけるような感じで言い放ちます。そんな時に決まって、彼は判で押したように同じ返事をしていました。声を荒げて、怒った表情をしてです。

『分かってる! 今やろうとしているところなんだ!』

 そうなんですね。いつも追われるように言われているのって辛いんですね。仕事でもなんでもそうですよね。自分から進んでやるのは、なんでもないのですが、人から強制されると興味をなくしてしまんですね。辛い作業には早代わりしていまうんです。

 それは、会話が出来ないからなんですね。ただ自分の言いたい事を言いあうのは会話ではないと思うのです。ワンちゃんたちのワンワン吠えるのと一緒だと思います。やはり会話をするには、自分自身と相手の状態や希望を了解してお互いに会話相手が満足するような話の内容にする事と、そのような話方をしないといけないと思うのです。

 それは、この世の中にいる家出少女が何故、家出をしなければならないかの原因のひとつです。まだ若い娘さんが、両親から冷たい言葉を言われなければならないことをしていまったとしてもです。どのような人間にも自尊心があります。その自尊心が傷つけられれば、明日の生活の事等、考えずに家を飛び出してしまうでしょう。その後には、娘と両親である会話相手の互いの後悔だけが残ります。

 会話は少しずつ良くなるか、悪くなるかの方に進んでいきます。ですが、ほとんどの人々は悪くなるほうに行ってしまいます。人の会話はそのように出来ているのでしょうか? 幸せな家庭や会社には、必ず考えのある会話があります。

 多分、今も彼ら親子は、毎日同じ会話と呼べない会話をしている事でしょう。望むような生活をするには、自分の希望と相手の希望を両立させた話の内容と話方を会得しなければなりません。そして、一番の話相手は自分自身です。自分自身の希望を達成すれば、いかに自分自身を誇りに思えるか、好きになるかを自分自身に話すのです。

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