2009年9月12日土曜日

知らない東京




 『ん? なんだろ。』

 東京にある地下鉄のひとつ、日比谷線の人形町駅の方から、様々な形や色に変化する歩道を真っ直ぐ歩いてきました、道の突き当たりにきました。随分歩きましたが、どれぐらい歩いたでしょう。そして、立ち並ぶビルを抜けた横断歩道の前に立ち、まわりを見渡しました。たくさんの車がひきりなしに目の前を走っています。そして、道路の向こう側に立っている歩行者用信号機の信号が青になるのを待っていました。信号が青になり、信号の中の人の歩く姿を確認して、車道の灰色のアルファルトに白いペイントで縞模様にしてある横断歩道を渡りました。ここは緑色の水を満々と貯めた大きな池の堀で皇居を囲んだ内堀通りの歩道です。歩道には等間隔に柳の木が、緑の葉を付けた枝を涼しげに垂れ下がっています。右方向に進もうとしていましたが、左手にチラッと気になる人達が目に入りました。しばらく頭の中で右に行くか左に行くがの葛藤がありました。そして、体は左の方に向いて歩き始めました。

 何人かの外国の人達が、皇居の一部であるなにか案内図を見ています。歩きながら目にすると、なんか外国の方の観光スポットのようです。ここを目標に遠くからあるいてくる外国の方の姿がチラホラと見えます。もちろん、日本の家族でしょう。そのような親子の人達も一家族ではありますが、見ました。お父さんとお母さんに大きな息子さんの3人でした。

 警察の警備官が居る大きな古い門を抜けました。その後に3センチ、5センチ四方のチョット厚みのある白いプラスチックの入門カードを門の窓口で手渡されました。中は広々とした歩道、大きな石で作ってある石垣、緑の芝生と広大な空間が続いています。どれぐらい道案内の立て札に従って歩いたでしょう。左手にしている腕時計の針を見ました。11:30です。そろそろ戻らないと時間がなくなってしまう。食事を済ませて、健康診断の続きをしなければと思いました。

 たくさんの海外の国の方とすれ違いました。実に皆さん姿勢がよろしいですね。欧米人、頭巾を被った、アジアの女性、例外なく堂々とした感じを受けます。畳を広げたような体格のお母さん、娘さんもいました。物静かな空気をまといながら、歩く姿はなんでしょう。自然で、人間の持つ威さえ感じます。

 ここは皇居の一部なのでしょう。そして、観光客に開放された、東京のひとつの広々とした空間でした。そして、日本人である私がここで見たものは、皇居の壮大な石垣や広々とした空間ではなく、海外から観光に来た人々の落ち着いた空気を身にまとった態度と、とても気持ちの良い真っ直ぐ伸ばした体と姿勢でした。

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