2011年8月15日月曜日

父親はアメリカ人と云う男の人と話をしました。


 『もっとはっきりと云えばいいとおもうんだけど。韓国や中国に。』



 父親がアメリカ人で、母親はどこの国ですかと聞く事をしませんでした。あまり関係無い事を聞いて感情を害されても、本人も自分も戸惑います。そんな男の人と少し話しました。



 『でも、自分は何人だと、思ってるんですか?』
 『あんまり考えたことないですね。』
 『確かにそうですよね。そんな事あまり考えないですよね。』



 何となく、曖昧な感じで会話を続けていました。本人は日本で生まれ、ずっと日本に住んでいて、アメリカンスクールに通っていたそうです。そんな事で、何となく日本人と話しているのと変わらない感じです。何となく、あいまいで、はっきりしていない会話です。日本人特有の、ハッキリさせると何となく気まずい雰囲気になりそうです。歳は40代後半でしょうか。黒い髪に白いものが混じっています。彫りの深い顔をしていますが、しつこくない顔立ちです。



 『日本人は桜の花のように、人知れず咲き、人知れず、黙って散っていくのです。それに、痺れるのです。韓国や中国がなんと云おうと事実は微動だしないし、変わらない。良くも悪くも。』



 そう、アメリカ国籍を持つ男の人に、心の中で云おうとしました。そして、日本の貧しさを考えました。何を持って豊かと云えるのでしょう。



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