2009年4月10日金曜日

おじさん




 『やまださん、最近良く来るの。』
 『...そうですね。昨日は来ませんでしたけど...。』

 しばらく、世間話をしていました。なんとなく合点がいきました。彼が真っ直ぐ自転車で来るのが視界に入りました。そして、なんとなく変な感じで私に近況を尋ね、話が始まったのです。私はろくでもない噂話の中に入ってしまったようなのです。

 ジーと私を見る目があります。遠慮していない目です。それは、何か真実を探求する目なのかもしれません。しかし、こっちは良い迷惑です。そこは、駒沢公園のテニスの壁打ちをする知る人には知られた名所です。そこに彼はいます。年を老いて、老後をする事もなく趣味であるテニスをしているのでしょう。親切に壁の上にある緑色の金網に引っかかった黄色のテニスボールを取ってくれるときがあります。日に焼け、髪を茶色に染めています。あまり綺麗な服装はしていません。ある意味、とても老人くさい運動姿です。

 多分、私の職業を疑っているのでしょう。私は自営業で気ままに仕事をしています。仕事はあったり無かったりで安定していません。それなので、暇なときには自由に壁打ちをしています。そんな私を怪しんで、強盗か泥棒を見るような、とても危険な目でジッと見るのです。それは、人種差別をするときのような目かもしれません。しかし、親切を装っているところが生理的に拒絶反応を起こさせます。彼は困った人を困らせる善良な市民かもしれません。

 そして、彼の仲間はみんな怪しい感じの人達です。彼らの服装と様子を見ると乞食同然の姿のように見えます。まるで泥棒が集まった感じみたいに見えるのです。そして、ひそひそ何やら話しているらしいのです。彼らの仲間の一人と、偶然にもあるテニスコートでゲームをした事がありました。そして、それを悔やんでいます。私は彼らの噂話のひとつになってしまったからです。知らない人を噂する事は出来ませんからね。そして、その人も実に曖昧な感じの人です。右だか左だか分からない人です。どっちにも転ぶ人のようです。 そして、ある団体に加入していて、隙のある人を言葉巧みに加入させる意思を見せた事があります。本当に巧みだと思います。

 偶然でも、付き合う人は選ぶ必要があるとの教訓ですね。それは、また私自身も人に選ばれるとの事ですね。幸せをもたらす人に選ばれたいと考えます。そして、裕福になるように選ばれるような価値ある人になりたいと思います。更に出来るならば人を幸せにする力を所有する人にもなりたいと願っています。欲張りでしょうか。





良く吟味した家具を。

0 件のコメント: