2009年12月13日日曜日

出版会社の金儲け方法





 『じゃ、ぎりぎりなんですけど、50万円値引きします。』



 受話器の向こうから、嬉しそうに出版会社の企画部に所属している男の人が言いました。本当に自分の都合だけで、ものを考えている人です。最近の出版会社のお金儲けの手伝いを私が出来ると思っているのです。



 インターネットである大手の出版会社が自社のホームページに原稿募集を掲載しました。そんな事で、プログに記載している、ひとつのエッセイを送りました。すると、早速電話がかかってきました。



 『とても、楽しく読ませてもらいました。』



 楽しそうに笑い声を立てて、受話器から彼が話しました。そして、謝礼として、なんかのカードを送ってきました。いくつか原稿を送って欲しいとの希望の書面も入っていました。そんな事も忘れた頃ですが、封書が届きました。現在の状況を知らせて欲しいとの書面でした。



 『現在はマイペースで暮らしていますけど。・・・・。』



 その後、アプローチが足りないと感じたのでしょう。2度に渡り、本と封書を送ってきました。しばらく様子を見ていました。あらたに封書が送られてきました。原稿を送って欲しいとの催促でした。いくつかピックアップして、プログに掲載しているエッセイをおくりました。審査に通ったとの連絡が来ました。本にするには、200万円だす必要があるとの連絡でした。



 原稿料をもらえるかもとの期待は的外れでした。出版会社もインターネットが世に現れてから、生き残りをかけて違う方面でお金儲けを作り出さなければならないのです。 自費出版で、お金を個人から集めようとの事らしいのです。



 『いま景気が悪くて、仕事もなかなか見つからないのが、私の現状なんです。』



 受話器の向こうの出版会社の企画係は、落ち着いた声で今後の、私の仕事探しに見解を述べました。そして、私の原稿の出版は風と共に去ってしまいました。

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