贅沢病と呼ばれる奥さんと、日本人の様相

『家の奥さんが、体が痛いって言うんだよなぁ～。それは、贅沢病だって言ってんだけどさぁ～。テレビばっか見てんだよぉ～。』



知り合いが、私の顔を見て、そう私に言います。彼は、昔レスリングをしていた人で、背丈は低く、ずんぐりとした体をしています。彼の奥さんが、彼に言うのだそうです。体が痛いと。そして、スポーツをしていた彼には、その奥さんの体の痛みが、家にいてテレビばかりを見て体を動かさない生活態度に原因あると云うのです。そして、彼自身は1日に１０ｋｍは歩くと云っていました。



そういえば、この間の東京マラソンの抽選に当たってお金を払い出場が決まったと云っていた、高価そうな狐だか、なんだかの毛皮のコートを着ていた女性も言っていました。確信を込めて、言っていましたね。



『体を動かさないと、体が錆び付くよ。私は日焼けなんか気にしないで走るんだけど、お母さんが言うの。日焼けして汚くなるよって。体を動かさないと、腐るよ。体。』



確かに、私自身、最近、体を動かさないので、痛くなります。筋肉が硬直してしまうのかもしれません。仕事で長時間同じ姿勢をしているので、痛いです。でも、面白テレビや、体を動かせる環境の中にいないと、なかなか体を動かすのは、難しいものです。そして、大概の人々は体の痛みを受け入れて部屋の中でテレビを見てしまうのだと思います。



そんな事で、テレビの中で話だけの議員さん達の顔を見ていると、結果に繋がらない話ばかりを批難する事を躊躇してしまいます。議員さんも人間だし、お手軽な出来る事をしているだけだと。結果を出すよう求めている国民ではないように思っているのでしょう。茶色の日焼けした顔をして、坊主頭の小柄な年配の同業者が煙草を吸い、煙を口から吐き出しながら云っていた事が思い出されます。


『日本は変わらないよぉ～。誰がやっても同じだよぉ～。』



現在、拉致家族、国難、東日本大震災復興、福島原発放射能、円高、etcの中で、なんの感慨も顔に浮かべず云っていましたね。確かに彼の顔を見ていると、今の日本国政府は国民の考えの反映なんですよね。