2013年11月22日金曜日

 苦しい日々の生活に明かりを灯すもの? 何気なく通った裏道にある、宝くじ売り場の張り紙を見て、おばさんに話しかけ、その笑顔を見て、サッカーくじを何となく購入してしまう自分を笑う自分が可笑しいと思いながら、秋の晴れ渡った青空の下にいる自分を見ている自分がいました。



 『今日は大安吉日なの! ねえ、今日は、大安吉日なの!』


 ここは、東京都世田谷区の小田急線経堂駅近くにある宝くじ売り場です。ちょっと、考えると不思議なのですが、ひとつしかない経堂駅改札を出ると、左手にみずほ銀行があり、その横に宝くじ売り場があります。そのみずほ銀行の裏側に小さな郵便局があり、その前に、また違った宝くじ売り場があるのです。表の宝くじ売り場と裏の宝くじ売り場と云った感じなのです。表の宝くじ売り場と違って、郵便局の方は、建物の影になり、静かな感じで空気に落ち着きがあります。また、この場所はまったく陽が当たらず、少ない人通りで、ちょっとした静寂の中にあり、緩やかな穏やかさを感じます。


 小さな宝くじ売り場の中から、ガラス越しに顔を上げ、私の問いにおばさんが応えてくれました。宝くじ売り場のガラス窓の上に、縦に長い白い紙に黒い字で大安吉日と書いた紙が貼ってあったのです。


 『そうよ。今日は大安吉日よ!』


 ちょっと離れた距離を置いて、おばさんと私は、青空の下で、私はアスファルトの歩道に、おばさんは、宝くじ売り場の中にいて、大安吉日について話していました。すると、ひとりの男が宝くじ売り場のおばさんの前に立ち、いくらかの宝くじを買っていきました。すると、また次の男が現れ、その男も、ロトくじというのでしょうか? 宝くじ売り場の前においてある鉛筆を使って、なにやらカードに書き込み始めました。


 宝くじ売り場のおばさんが、男に書き漏らしている部分を男に説明しました。おばさんはカードを受け取ると、後ろの棚に置いてあるカード送入機に差込み、カードがカード送入機から自動的に戻ってくると、そのカードを男に渡しました。そして、男はカードを受け取り、無言で立ち去っていきました。なにやら、宝くじ売り場にはたくさんの種類の宝くじと、ロトカードのようなものがあるのです。


 私は自転車から降り、自転車を宝くじ売り場の真ん前にある郵便局の駐輪場に止め、宝くじ売り場の前に立ちました。そして、宝くじ売り場の前に出ている細いテーブルの上に乗っているたくさんの宝くじのサンプルを指差しながら、言いました。


 『これって、なんなの?』

 『それは、サッカーくじよ。10億円当たるやつよ。24日までなの。当選くじは、新聞に発表されるのよ。』


 私は、二人の男が立ち去った後におばさんに尋ね始めました。すると、おばさんは、いろいろ説明してくれます。何回か問いを繰り返してから、10億円が当たるというサッカーくじを、何となく一口購入することにしました。


 なんかたくさん買わなきゃならないような、変な自己解釈をしている自分の考えを、確認するように、おばさんに尋ねました。だって、テレビのニュース画面で宝くじを買う人が、もの凄い量の宝くじを束で買っているのを見ていますからね。


 『一口でもいいの? 』


 おばさんが、笑いながら、全然大丈夫な事を私に云いました。


 『一口でも、大丈夫よ!』


 なんとなく、おばさんの云う通りなので、当たり前なのを、感じながらボケットから黒い革で作った小銭入れを取り出しながら私は、おばさんに云いました。


 『そう、じゃ~一口下さい。でも、一口で当選したら、批難されるだろうなぁ~。』

 
 おばさんは、何の心配もないような声で、元気に私に応えてくれました。


 『大丈夫よ。当選したんだから。』


 おばさんは、私に笑顔を見せながら、屈託のない言い方で私に、言います。そういえば、こんなに裏表のない人の笑顔を見るのは久しぶりだなぁ~、と思いながら、500円玉を青い釣銭トレーの上に置きました。仕事を楽しんでいるような笑顔でした。夢を売る仕事に満足している感じです。サッカーくじ、一口300円でした。


 10億円当たたら、どうなるんだろう。夢が突然、私の中から出てきました。そして、今まで暗い気持ちで晴れた青空の下、自分の生活を想い悩んでいる自分を思いながら、ふっと気が付きます。


 『夢って、いいね。突然やってきて、身も心も軽くしてくれる。』


 日本には、夢のような希望というか、将来というか、あるんだろうか? 私達庶民がいくら願っても、届かない思いがあります。北朝鮮の拉致問題、隠されてしまう日本の国内海外事情や状態に対して見る事、知る事が出来ない政府機関、マスコミ操作があります。そして、決して改善されることがないだろう、ウサギ小屋のような日本人の住宅事情と生活環境で、どこまでも未来の日本に行くのです。


 そんな国民の思い叶って、自民党から民主党に政権交代をしたわけなのですが、自民党より自民党らしくなってしっまった民主党でした。よその国に一生懸命尻尾をふるワンちゃんになってしまったのです。何故自民党から、民主党に政権が移ったのかを自覚する事が出来ない日本人なのでした。そして、民主党の人達も、やっぱり日本人だったのです。そして今現在、民主党に懲りて、どうしようもなく自民党に政権が戻ってしまったのです。こんな平成25年11月22日(金曜日)、青く晴れ上がった空の下で、自分でも自分のしている事に驚きながら、私は宝くじを一口買うのでした。


 小さなサッカーくじを、小さなビニールカバーに入れて、私に、渡してくれるおばさんの笑顔をみながら、宝くじ売り場を背にすると、私の後ろには、奥さんらしき普通の背丈の痩せた女の人が、自分の順番を待っていたのです。


 そうなんですね。夢を買うことで、日々の生活を楽しいものに出来るのです。苦しい生活に明るい夢を灯すことが出来るんですね。いかに日本国政府が、あさっての方向を向いて政治をしているかって事だよね。





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