2013年11月19日火曜日

 上北沢の甲州街道沿いにあった寂しい定食屋さんがいなくなってしまう理由



 『こちらの席の方がテレビを見やすいですよ。』


 『え。そう。』


 ここは、甲州街道沿いにある洋食を食べさせるような定食屋さんです。茶色の4人掛けテーブル席が8つぐらいでしょうか、こじんまりとしています。カウンターが店の中にあり、そこで白髪頭をした年配の体の小さな男が料理をしています。


 店の客は私と、肉体労働者らしい体のガッチリした二人を合わせて3人です。時間は夕方5時ごろです。私は、店の女将さんらしい、眼鏡をかけ、痩せた小さな女性に勧められて、席を替わりました。初めてこの店に入りました。店の前にあるガラスケースに入った、サンプルの緑のキャベツの千切りと揚げたて思わせる黄金色のコロッケやメンチカツを見て、食欲をそそられて入ったのです。


 しばらくすると、コロッケ定食を私のテーブルに、女将さんが運んできました。キャベツの千切りに油で揚げたコロッケがふたつ乗っています。赤いトマトも1切れついています。御飯と、味噌汁がついています。味噌汁は、凄く薄いつくりです。昔の丁稚奉公に出すような味噌汁ではないかと、思われるほどの薄さです。


 運ばれた、定食は、貧しい寂しいものでした。こんな定食を見たことがありません。コストを限界まで切り下げた状態の定食なのでしょう。多分、普通の定食を3分割するような、コストで作り上げた感じなのです。とても、スカスカした定食で、量も中身もありませんが、表立っては一人前になっているようです。


 どのような理由で、こんな定食を作り、商売をしているのかは分かりません。一度食べたら、次にこの店に入る人は、いないでしょう。というか、店の商売なのか、どんな考えなのかがわかりません。なんなのだろう、っといった店でした。


 日本国も今やそんな状態です。中身がないのです。何をしているのか、何故なのかが分かりません。TPP、アベノミックス、日本版NSCとか、何をやっているのでしょう。何か、見失っています。







 

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