『どこの国の人ですか? ウエアー・ユー・フローーム?』
『・・・・ アイルランドです。』
『日本で何をしてるんですか? 仕事ですか?』
『先生をしています。インターナショナルスクールで教えています。』
赤毛の坊主頭をした体の太めの男の外人さんと話をしました。あまり日本語が分からないらしいのです。どうも、日本国政府の文部科学省の方から、彼を含むインターナショナルスクールに連絡があったらしいのです。今日は日食なので、子供が学校で空を見上げて太陽を見ると眼に良くないので、学校を午後から始めるようにと。それから、お互いに意味不明な感じで言葉を交わして、意思を伝えようと試みました。
『今の日本人と、昔の日本人は違ったでしょ。違うでしょ。』
『まあ、そうですね。今の日本人と昔の日本人は違いますね。』
『誰かは、あれだったんでしょ。○×!▽?□~なんどかかんとか。』
『神。ゴットですね。見ちゃいけなかったんですね。天皇は神様なので、見てはいけなかったんですね。』
『そうです。』
どうも、このイングランド人、あまり日本に対して好感を持つ事ができないらしい雰囲気を持っています。多分、日本での生活が、あまり快適には感じられないのでしょう。まあ、日本人の多くの人達もそう思っているでしょうから、しょうが無い事かと、思います。
このイングランド人が言うには、日本の象徴とされる天皇は、昔、神様として崇められた事が人間として想像出来ないらしいのです。そして、昔の事とは云え、そんな日本人が、ちょっと信じられないらしいのです。
そんな日の日本の東京の空は曇り空で、金環日食を見る空模様ではないようです。ですが、彼に逢う前に金環日食は終わっていました。雲がちょうど良い具合に太陽の光をさえぎり、月が太陽の光を遮るように少しずつ太陽の端から入り始めました。確かに、太陽の真ん中に月があって、金の環を作るのが、はっきりと見えました。地上の光景は、太陽の光が遮られた可笑しな明るさでした。
昔の日本人は、大空で欠けはじめる太陽の金環日食も、天皇は神様だという事も、ぼんやりと見て、不思議に思っていたのでしょう。そして、それが、自分の生活には、何の意味があるのか分からななったんだと思います。プロ野球の勝ち負けのようにしか思えなかったのです。多分。
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