2011年12月17日土曜日

スーパマーケットで見る、奇妙な顔、姿形をした日本人達


 『うちのスーパのカードをお持ちですか?』
 『いいや。持ってないんだけど。』
 『失礼しました。』



 近所のスーパマーケットのレジに並んで、自分の順番が来たので、緑色の買い物カゴを清算機の前に立っているレジ係の女性の前に差し出した。すると、いつものように店のカードを持っているか尋ねてくる。カードを差し出すと、買い物の値段の5%が、カードに加算され記憶される仕組みなのだ。カードに加算された金額は利用者が要求すると、後で払い戻しがされ、買い物の値引きとなる勘定だ。



 『あっ。お米の袋が破れていますね。取り替えますね。桜井さ~ん!』
 『どこ? あっ。ほんとうだ?』


 どうも、私が購入した5kgのお米袋に小さな穴があいて、白い小さな米粒がもれているようなのだ。緑色のスーパーの買い物カゴの中に、数粒白い小さな米が袋の側に落ちています。すると、後ろに並んでいる奥さん達の顔、姿が自然に目に入ります。その顔の表情や姿からは、生気を感じる事が出来ません。云っては悪いんですけど、歩くミイラのようです。多分、テレビばかりを見て毎日を過ごしているのでしょう。そして、なんだか私は顔に汗が滲んできます。何故汗が滲んでくるのか、はっきりとは分かりません。恥ずかしくなって顔を赤らめていくようなのです。


 何か昔、知人と錦糸町で飲んだとき、酔っ払いのホステスさんが云った事が頭に蘇ります。相当酔っ払って言いましたね。彼女。何人かホステスさんがいて、中国の女性のホステスさんも二人居ました。珍しいなあ~と、私は中国女性のホステスさんを見て思っていました。


 『酔っ払ったほうが勝ちよ。』


 確かに、雑居ビルの何も無い部屋で飲んでいるのです。正気ではいられない雰囲気です。酔っ払って正気を失くさないと座っていられません。そんな酔っ払いに、順番に店の強面のマスターが話しかけています。私のところにも来ると、ホステスさんは言いましたが、私のところには、ついにきませんでした。


 何か、昔のソ連では、3本指を胸に立てて、ウオッカを街中で飲む仲間を集ったそうでした。3人で1本のウオッカを酒屋さんで購入して、玉葱をかじってウオッカを飲み酔っ払う事が仕事を終えた労働者の習慣のようでした。やっていられないのをウオッカを飲んで忘れようとのことだったと、何かで読みました。


 スーパーマーケットのレジに並んでいる、奥さん達の顔を見ると、テレビ三昧で考える事を忘れてしまっています。多分、考えても、しょうがないと観念しているのだと思います。そして、ミイラのような顔、姿になっていまっているのです。考える事、話し合うことを放棄してしまったように思えます。家族や、他人とも、自分自身ともです。


 考えないほうが、勝ちよ。と。

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