2011年11月15日火曜日

JR大井町で赤信号を無視して歩いてきた通行人に注意して、通行人に殴られて重症で、病院に運ばれてしまった年老いた男の人



 『すっごい不景気なんだねぇ。』



 昔、目黒の中目黒に住んでいました。日本人の皆が貧しく、石油ショックにより日本国民がトイレットペーパーがなくなるとマスコミに煽られ、奥さん達が買占めに走っているニュースがテレビで報道されていた時代でした。そんな時代に目黒警察署がある山手通りをあるいていると、肩を丸めて歩いてきた背の低い中年の二人組みが、すれ違いざまにいいました。そんな時代背景の事でした。




 夜の8時頃の事です。借りている4畳半の部屋から、近い場所にある公衆電話ボックスで、田舎が一緒の友達に電話をしていました。すると、電話ボックスの外で年寄りの男が電話ボックスのガラスを乱暴に叩きます。電話を終えて開けろを云った仕種でした。ちょうど、友達との電話も終わり受話器を、受話器置きに静かに置きました。電話ボックスのドアを押し電話ボックスのドアを開けました。年老いた男は腰も背も曲がっていて、小柄な体を私に向けて、大きな声で怒鳴りつけます。お酒に酔っ払って、足元もふらふらしています。そんな男が若い私に、無造作に話しかけて来ます。



 『ほれ。お金やるから、取っとけ。』
 『ふふふふ。いいですよ。ははは。』
 『いいから、取っとけ。』



 酔っ払いの男はボケットから、5円玉をいくつか取り出し、右手の手の平に乗せ、私の前に突き出します。私に5円玉2枚をやると云うのです。普段なら殴ってしまうところですが、友達との会話を終えて何となく落ち着いていました。変な奴だなあと、可笑しく思い男に背中を向けて部屋に向かって歩いていきました。



 何も考えずに乱暴に怒鳴りかける年寄りの男と、どう違うのでしょう。赤信号を渡ってきた男に、注意する男と。何を考えて注意したのでしょう。注意されて気持ちが良くなる人はいないと思います。人間ほど、恐ろしい動物はいないのです。細心の注意を払って注意するより、安全を確保しても、注意しないほうが賢明だと思います。多分、注意した人は、赤信号を無視して歩いてくる男が困っているとき、進んで手を貸すことをしないでしょう。それなら注意する資格は無いと思いますよ。



 分かっていてやっているのですから。煙草が体に悪いことを分かっていて吸っているのです。酒の飲みすぎが、良くないと分かって体を壊してしまうのです。嘘をついてはいけないと分かっても嘘をついてしまうのです。子供ではないのですから。パレスチナ紛争なんかも、分かっていてああなってしまっているのです。本当に困っているときに、助けてくれる人は少ないのです。



 そうなのかも、しれません。暴力事件になると分かって注意してしまったのです。浜の真砂は尽きても、このようなニュースは決して世の中からなくなる事はないでしょう。人に注意するときは、注意しましょう。注意しないで、親切に笑いかけ、困っていないかと、手を貸しましょう。殴られないように・・・。

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