2011年11月17日木曜日

ある放送局の訴状と、日本人の感覚



 『つかぬ事をおたずねするようなんですけど、放送局関係の仕事をしてるんですか?』
 『どうして?』
 『何か、話のはしばしが耳に入ってきて言葉を聞くと・・・。』
 『TBSの仕事をしてんだけど。』
 『じゃあ。テレビ放送の仕事じゃないですか?』
 『・・・。』
 『ラジオで、ある放送局が受信料未締結の世帯に民事訴訟を起すにいたったって言ってますよ。』
 『おかしいよ。それは。』




 お酒を飲んで、これから家路に向かっている大柄な男の人と話をしました。ちょうど、部下らしき若い男と歩道で別れを告げていました。皺くちゃになってしまった白いワイシャツ姿で、お腹が出ています。



 『勝手に放送電波を送信して、お金を取ろうなんてのが、可笑しいよ。おれなんか、放送受信料なんか払ってないよ。』
 『へえ。』
 『どうなの。受信料払ってるの?』
 『テレビ無いんですよ。うちは。』
 『ええ。』



 色々はなしていましたが、どうして日本人は、可笑しいと思うことに声を出して問わないのかと結論に帰結しました。そして、穏やかな声で男は云いました。



 『流れに流されるんだね。流れに逆らわないんだね。』




 確かに、福島原子力発電所の事故から、東京電力の電気料金が世界一高い事実を知らされた庶民が驚く声。逆らえないし、こうしようとも行動出来ないのが、日本人なのです。イギリスで猛反対を受けた、女性首相、マーガレット・サッチャが実行しようとした、人頭税のような気がします。



 そういえば、昭和天皇が死んだときに、目黒にある会社の古株の空手つかいの先輩が、誰にも聞こえないような小さな声をひそめて私の耳に顔を近づけて、云った事がありました。



 『欧米の人達に言わせると、日本人って、北朝鮮の人達にそっくりなんだって。』



 ・・・。

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