『景気。悪いですよ。銀座が始めて向かえる景気ね。』
『悪いんですか? ニュースでは、景気悪化は下げ止まったって言ってましたけど。』
『ネオンは華やかに点灯しているけど、閉めている店が多いわよ。』
『・・・へえ~・・・。』
小柄な着物姿に日本髪を結っている、銀座のママさん。しかし、銀座のママさんの話し方ではありません。どちらかと云うと、事実を世間様に何とか伝えたいといった、使命感を胸にして話すマラソンを走りぬいてきたギリシアの伝令者のようです。ちょっと、ターさんいやですよ!、もう、っといった感じではありません。
もう日が西に傾き、夜が始まる時間になりました。夕暮れの銀座の街には色とりどりネオンが瞬いて、多くの大人の男と女が賑やかに歩いています。
そういえば、今日はバレンタインデーです。女性が好きな男に、チョコレートを渡す事が出来る日となっている一日なのです。
巷では、アベノミックスで株式が上がり、円安が進み、景気が良くなるような事をニュースを賑しています。しかし、銀座のママさんの、なんと固く現実を映すような言葉が、耳の中に入ってくることでしょう。
多分やかんの中の水を沸かしているような景気なのかもしれません。日本人特有の部分部分の景気なのかもしれません。冷たい季節に、ウサギ小屋で暖かいコタツに足を入れてテレビを見ていれば、満足してしまう人々が日本人なのでしょう。そして、そこから出ようとしても、長い生活習慣で抜け出られないのかもしれません。
広島の海で養殖している牡蠣業者が山から流れる養分が、牡蠣の成長に必要不可欠なものを知り、山の手入れを欠かさないようにしたのです。牡蠣の養殖と山の手入が、自分達の生活に関係している事を知る事が出来たのです。国民の生活を大切に手入れする事が国家の繁栄には欠かせないのです。そして、それを知る事が出来ないのが、日本人なのだ。
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