2012年3月10日土曜日

嗚呼、これが、日本人だよ。


『あなた、日本人でしょ。日本人じゃないの?』



彼女が私に、言葉に力を入れて話しかけます。なんか、彼女は私の話が面白くないのです。彼女の年齢は40歳ぐらいでしょうか? 大柄でペチャとした、体つきと顔をしています。彼女にとっては、日本人である事が全て、良い事の証であるようなのです。夜も遅い時間で、今日は雨も降っています。冬から春に向かって季節の変わり目の冷たい雨です。



『私は生粋の日本人ですよ。でも、何か長いこと日本人をしていると、ちがうなぁ~と思うことがあるんですよ。たとえば、東京電力の電気代が、世界一高いとか。』

『・・・・、確かに、そっち系は、おかしいとおもうわ。』



彼女は今日、お酒を飲んでいるらしいのです。毎週金曜日には、会社の同僚とお酒を飲む日なのだそうです。そんな事で、リラックスした感じで、彼女と私は、思いついた事を話しています。しかし、インターネットに流れているニュースを話題にしている私の話しが、面白くないらしいのです。



『たとえば、福島の原子力発電所も、安全っていったから、安全だって事だからってのも、可笑しいと思うんですよ。』

『・・・。』

『日本人って、話が出来ないんですね。家庭や、学校、社会で。』

『そんな事ないわよ。そんな人いないわよ。』

『いるんですよぉ。家庭でも、子供が話をすると、黙って御飯食べなって感じで。学校でも、先生が上から目線で頭ごなしだし、会社なんかでも、当然、そうだしねぇ。日頃話をしない人達が、いきなり話ができるかって云うと、無理があるよね。バットを振ったことの無い人が、いきなり野球してヒットを打てるかって云うと、無理だろう。』



彼女は、何が面白くないかが、分からないのです。考えてみたことも無い事を云われると、腹が立つらしいのです。日本人は、そうじゃないと思っているのです。福島で起こっている、放射能汚染に関しても、黙っていれば、彼女の問題ではないのです。何か、お天気のような同意できる話題だけが、彼女、強いては日本人の心を落ち着かせて安心させてくれるものなのです。誰でも良い、同意出来る人と話がしたいと。



『ニュースなんかで、天皇なんか見てると、何か、ちょっとなあぁって思うんですよ。』

『天皇。あの人は、元々おかしいのよ。』


何か同意出来るもの。テレビ番組にありますね。毎回内容の無い馬鹿馬鹿しい、同じシナリオ内容、『8時だよ。全員集合!』、とか、『わらっていいとも!』、『水戸黄門』等、なんか。福島の放射能汚染や、東日本大震災、拉致問題、不景気、ありとあらゆるものは原因があり、解決策があるものなのです。それを、なんとか忘れたいのです。がんばれとか、元気出せとかいって、解決策とか、原因究明を怠りたいのです。



野田内閣の消費税と社会保障の一体改革、命を掛けて増税するってのも、典型的な日本人ですよね。この底無しの不景気に。ほんと、何か同意出来る人達と話たいって事なんだなぁ。財務省の人達と同意した話をしたいって事なんだよね。



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